【ずっと会いたかった人】野菜料理で人気の田中聖子さんが目指す「これから」(4/4)

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2020.11.12

コロナ禍で、飲食店は大きな影響を受けました。「ごはん屋ヒバリ」も例外ではありませんが、店主の田中聖子さんの「固定種の野菜のおいしさを伝えたい」という使命感はゆるぎなく。すでに再起動を始めているという、その新たな試みとは何か? お話を聞いてきました。

――コロナ禍でお店を開けられない時間が長かったですね。
はい、お店を開けられない期間が長かったですね。その間も農家さんから野菜は届きます。むしろ、農家さんの地域でも道の駅が閉まっていますし、学校給食も中止。消費する場所がないわけですから、私は送られてくる野菜をせっせと保存食にしていました。
――お弁当も始めていましたが、反響はどうでしたか。
近所の方との交流がすごく増えたのはよかったです。今までは、遠方からわざわざ「ヒバリ」を目指してきてくださる方が多かったのですが、「この店、いつも通っているのだけれど、不思議だった」「入ってみてよかった」と、何度もお弁当を買いに来てくださるお客様が増えました。
――ソウル国際映画祭の最優秀短編作品賞などをとったショートフィルム、『おべんとう』で担当された料理も印象的でした。
お弁当は、箱を開ける誰かのことを思いながら作ることが楽しいんです。食べる人はその気持ちごと食べる。交流があるんですね。私はその中で、畑の風景が見えるような、季節を感じられるお弁当を作りたいと思っています。記念日に本当に久しぶりに家族が集まるので、10人分のこんな料理を作ってほしいとか、それぞれの要望に応えるのがすごく面白くて新鮮でした。
「お弁当は、手をかけてもかけなくても、作り手の心が映る」と田中さん。食べる人への手紙のような気持ちでいるという。
――「ヒバリ」ファンには外国の方も多いです。
ベジタリアンやビーガンの方は少なくありません。あるインド人のご夫妻が話してくれたのですが、インド料理店ではビーガンメニューが必ずあるのだけれど、日本では難しいと。野菜料理であっても、和食はベースにかつお出汁を使っているから、食べられないんですね。そこで、昆布出汁だけで作って対応しています。
――一人ひとりに対応するのは大変ではありませんか。
子どもにアレルギーがあるのだけれど、大丈夫ですか? という連絡も増えています。制限のある食材を伝えてもらって作りますが、そのことをネガティブにとらえるのではなく、たとえ食に制限があったとしても旬の味をこんなにおいしく食べられるんだと伝えたいんです。
――妊婦さん用のお弁当も考案されたとか。
はい、ちょうど友人が妊娠して、一時期つわりがひどかったんです。妊娠がコロナの時期と重なって、助けられることがあればと妊婦さん用のレシピを考えたのがきっかけです。野菜だけはなく、タンパク質、油脂も必要です。何の食材に反応してつわりが起こるかも、一人ひとり違います。では、食材はどうするか? つるつるした食感がいいのではないか? 酸味を加えると食べやすくなるのではないか? 今も試行錯誤しています
――お腹の赤ちゃんの栄養も考えなければなりませんね。
小魚、ひじき、ビーツ、ナッツ、大豆製品など、血糖値を上げにくく、かつ鉄分などの栄養がたっぷり含まれる食材を選んでいくんです。妊娠の段階によっても、必要な栄養が変わってきます。脳が作られる時期はこの栄養を。目が作られる時期はこれを、と。胎児のことを考えなければならないと思っています。出産したら授乳時の母親の食事はどうするか、幼児の場合は、小学生は……と、考えることが広がってきています。
ハンバーグ・卵焼き・大豆などたんぱく質たっぷり。万願寺とうがらしの生姜オイル蒸し。モロヘイヤのごま和えなど、野菜も8~10種類以上入ったお弁当。
――野菜料理以外にも、「ヒバリ」の肉や魚がおいしいと評判です。
豚ロース肉を低温でローストし、スモークしたものは定番です。腸詰めも定期的に作りますが、やはりすべて手作り。安全・安心できる食事をしてほしいから。植物性タンパク質だけに頼ると、どうしても少なくなってしまうんですね。この夏は、よくハンバーグを作りました。ハンバーグは食欲がなくても食べられるという方が多くて。年配の方も、子どもも、嫌いな人が少ないんですね。
――教室も早く再開してほしいという声も多いです。
無邪気に集まって……ということが難しい今も、ありがたいことに「再開はいつですか?」というリクエストはいただいています。私も、伝えたいことがたくさんあります。まずは、「味噌仕込みの会」からスタートさせて徐々に。食材を送って、一緒に作るという試みをしてみたいと思っています。
――オンライン教室ならではのよさもありますね。
時間のない子育て中のママたちも、リモートなら参加できるという方も。遠方の方も参加できる。カラダをしっかり作らなければならない、でも何を食べていいのか迷っている、そんな多くの方にメッセージを届けられればと思っています。
低温ローストのあとスモークしたローストポークは、「ヒバリ」でも人気のひと品。
――「ヒバリ」の料理は、シンプルですが、味わい、奥行きを感じます。
野菜のもつ力と、もう一つ発酵食をよく使うからでしょうか。たとえば、私の故郷・鳥取の伝統的な「漬け物」、三五八(さごはち)漬け。塩が三、麹が五、米が八。だから三五八。ほんのり甘くて、塩味と、コクがある。野菜を漬けるのが一般的ですが、私はこれを調味料として使うんです。なぜなら「麹」も全部食べたいから(笑)。漬け床にしちゃったら、捨てちゃうので。もったいない。
――麹好きな田中さん、愛用している化粧品も麹由来だそうですね。
麹を発酵させた「コウジ酸」です。すごく身近に感じますね。美白効果があるということで期待している成分ですが、麹由来ということで安心できるんです。
――美白を目指しているのでしょうか?
何が何でも色白に……というのではないんです。もともと小麦色の肌で、小学生のころは海にも行ってないのに、毎年、夏休みの「日焼けチャンピオン」になっていた私です(笑)。日焼けを吸収しやすくて、ほほ骨あたりに小さなシミがちらほら。そこに今、「デルメッド ホワイトニング スポットクリーム」をピンポイントでつけています。シミのない、透明感のある肌でいられれば幸せです。
手にしているのが「デルメッド ホワイトニング スポットクリーム」。朝晩、必ずつけるという。
https://www.dermed.jp/store/item/00459.php?utm_source=DS&utm_medium=HBR4
●次回は、注目のファッションブランドYONFAデザイナーの金瑛華(キム・ヨンファ)さんが登場します。

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田中聖子(たなか・せいこ)
「ごはん屋ヒバリ」店主、料理研究家

鳥取県生まれ。広島大学理学部修士課程修了後、公務員として研究所に勤務。旅先で広島の固定種の野菜に出合い、そのおいしさに衝撃を受ける。その後、農家との交流を通して、「食」への関心が高まる。2010年東京都世田谷区砧に、旬の野菜を軸にした料理を出す「ごはん屋ヒバリ」をオープン。料理教室も人気となる。2020年より、野菜、調味料、手作りの保存食などを扱うオンラインショップをオープン。ウェブ配信での料理教室も計画中。

http://hibarigohan.com/
https://hibariclass.stores.jp/
Instagram @gohan_hibari
Facebook @hibarigohan

撮影・青木和義 ヘア&メイク・広瀬あつこ 構成と文・越川典子

「ごはん屋ヒバリ」の食材&お箸のスペシャルセット、10,000円相当を5名様にプレゼントします。

(左上から時計回りに)広島県産無農薬らっきょうを純米酢、きび糖で漬けた「らっきょうの甘酢漬け」。スペイン産のピコリモン種のオリーブから採れた「オーガニックエキストラバージンオリーブオイル<チャンベルゴ・ピコリモン>」は、ろ過せず、上澄みだけを集めたまるでジュースのように爽やかなオイル。英国う王室御用達の「マルドン シーソルト」は海水のみを原料とし、平釜製法で仕上げたまろやかな味わい。有明産の一番海苔「磯板海苔」は、別格の風味、くちどけのやわらかさ。お箸はお店でも使っている、沖原沙耶さん作のヒバリオリジナル。瀬戸内の美しい海で育ったひじきを、鉄釜と薪で炊き上げた、山口県祝島特産「天日干しひじき」。どしどしご応募ください。