ハッピーでいることが女性にとっては「きれい」の王道。プライベートサロンで20年間、女性たちの美しさの実現に尽力してきた美容家、川邉サチコさんと美木ちがやさんの言葉です。母と娘に伝わる美の秘訣について、お聞きします。
- ――サチコさんから娘・ちがやさんに伝えられた美容法を教えてください。
- ちがや:美容法とはちょっと違うかもしれませんが、いちばん私の役に立ったのは、「姿勢」ですね。背筋をピッとしていなさい。すっすっときれいに歩きなさい。小さいころからサチコさんに言われてきたことですが、たしかに人の「印象年齢は姿勢で決まる」と言ってもおかしくない。今この年齢になってわかります。
サチコ:みんな体型のことばかり気にしているけれど、実際は違います。多少太っていようが、やせていようが、きれいに歩いている人は、本人も見ている人も気持ちがいい。エネルギーや気があふれているように感じるから、若々しく見えるんですね。 - ――若々しさ=美しさ、なのでしょうか。
- サチコ:いつまでも若くいることだけを追究している女性を見ると、「頑張ってるね! えらいね!」と思うけれど、私たちがきれいと思うのは、どちらかというと「感じよさ」に近いのだと思うの。
ちがや:感じよさって、自分に余裕がないと絶対出てこないものですよね。
サチコ:どんなに努力しても、若々しさでは、20代に50代の女性が勝るわけがありません。それでも美しく見えるのは何か、と考えればおのずとかわかるのではないかしら。
ちがや:穏やかだけれど、ハリのある声。にこやかな表情。落ち着いたものごしで、周りの人を安心させる。けれど、生き生きした活気を感じさせる。
サチコ:かなりハードルあげたわね(笑)。でも、感じよさってそうよね。
- ――具体的に、理想の女性像っていらっしゃるのでしょうか。
- サチコ:若いころ、訪れるたびに「京都の女性」に憧れて、ああなりたいと一生懸命努力したことがありました(笑)。
ちがや:え、ほんとに? サチコさんのキャラクターではないのに。
サチコ:そう。ある日、気づきました(笑)。違うな、って。
ちがや:ないものねだりをしても仕方ない。
サチコ:そうなの。正解は、自分の中にあります。 - ――美容のためになさっている毎日の習慣を教えてください。
- サチコ:毎朝6時に起きて、40分の散歩。帰宅してシャワーを浴びて、食事の支度。今は、自分のためだけに食事を作ります。
ちがや:サチコさんがえらいのは、ちゃんとトレーで食事したり、クロスを敷いたりしていること。ゆっくり食事をしたいらしく、サチコさんの部屋に行くと「じゃましないで」と叱られる(笑)。
サチコ:それだけ真剣なの。手を抜いてしまうと、その時間がムダになってしまう気がして。この瞬間を、存分に味わいたいから。
ちがや:サチコさんは。パジャマのまま朝食を摂ることなんて、絶対ないですし、たとえ部屋着にしたとしても、おしゃれなものにわざわざ着替える。
サチコ:女性は、その部屋のインテリアの最たるもの、と私は思っているの。テーブルセッティングをしても、最後に座った人が空間を台無しにしてしまうこともあるじゃない。
ちがや:そういう視点、勉強になります!
- ――自分が変わるきっかけって、どんなときなのでしょうか。
- サチコ:私は70代で洗顔方法を変えたんですよ。どんなスキンケアを使っても肌状態が落ちていく一方で。そんなとき思い出したのよ。そうだ! 美容の先駆者だった義理の母が、朝晩ずーっと続けていた洗顔法をやってみよう、と。
ちがや:蒸しタオルで顔をあたため、氷水で洗顔。それを3回繰り返す方法ね。
サチコ:ここ6年間、朝晩、欠かさず続けています。
ちがや:たしかに、サチコさんの肌、変わりました!
サチコ:何か今までと違う。そう気づいた時が、始めるときね。 - ――何かを始めるのに、遅いってことはないのですね。
- サチコ:今日が、人生の「いちばん若い日」なのですから。ね、ちがやさん。
ちがや:そう。昔はよかった、と思っていてもしかたがない。
サチコ:とくにスキンケアは、日々の積み重ねしかない。断言できます!
ちがや:ちゃんと応えてくれますよね、肌は。大切にされている肌と、ほったらかしにされている肌とはまったく違う。色白だとか、褐色だとかは関係ない。
サチコ:ない、ない。お金をかけずに、手をかける(笑)。
ちがや:何かをいつくしむって、その人の人生観や人柄にまで影響している。たくさんの女性たちと接して、そう確信しています。
- ――肌も、いくつになっても変わるのですね?
- サチコ:どんなに恵まれた肌でも、お手入れしなかったら乾燥肌になるのは簡単です。逆に、肌質に悩みがあっても、朝晩、ていねいなスキンケアをすることで、しっとり美しい肌を手に入れることができます。昔、皮膚科の医師から聞いたのは、「肌は水分と皮脂でできている。だから、いい水と油を補うことだ」と。今でも忘れませんね。
ちがや:実感として、私もわかります。水分と油分が入っている乳液状のものが好きですが、とくにバランスがいいのは、このデルメッド プレミアム エッセンス。乳液のような美容液。美容液のような乳液。
サチコ:私も最初はもの足りないかな、と思ったけれど、3日目の朝、え? と思ったの。しっとり感が違う、って。
ちがや:満足感がすごいです。ついクリームをつけ忘れても、肌はしっとり潤っています。 - ――いい製品を選ぶ目も必要ですね。
- サチコ:試してみるに限りますね。
ちがや:そうして自分が心地よいと感じたものを選ぶこと。大事に育てられた子どもみたいな「幸せな肌」って、実際、あるんです。
サチコ:自分でも、体調がいいときって、手のひらがほほにくっつくの。よく寝て、よく食べて、よく笑って、よくお手入れ。そのくり返し。メンタルが落ちないように、疲れないようにするのが大事。
ちがや:女性はとくに、メンタルの落ち込みが肌に出る。ハッピーでいる時間を、長くして生きましょうね!
- ●次回は、京都在住、オーダーメイドの靴職人・長谷川良子さん(GROWOLD)が登場します。手入れを継続させる極意を伺います。
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左・川邉サチコ(かわべ・さちこ)
トータルビューティークリエイター、「KAWABE LAB」主宰
1938年東京生まれ。女子美大卒業後、パリでメイクアップを学ぶ。ディオール、サンローランなどのコレクションでヘアメイク担当。広告、TV、舞台で、女優やアーティストのイメージメイキングを担当。現在、大人のトータルビューティサロン「KAWABE LAB」を娘・ちがやと主宰。
右・美木ちがや(みき・ちがや)
トータルビューティークリエイター
1963年東京生まれ。美容家の家系に生まれ、学生時代からインテリア、ファッションのスタイリングを手がける。その後、ヘアメイクアップアーティストとしても各方面で活躍。「KAWABE LAB」では、母・サチコとともに、ヘア&メイクとファッションをトータルで提案。
Instagram@kawabelab
Instagram@sachiko_kawabe
Instagram@chigaya_miki
撮影・青木和義 構成と文・越川典子
拡大鏡の名品「ミロワール・アルパン」23,000円(税別)を2名様にプレゼントします。
直径8㎝、両面ミラー・片側拡大7倍の拡大鏡。フランスの職人が手作り、その技術と優雅さに定評がある「ミロワール・アルパン」の名品です。川邉サチコさん、美木ちがやさんが愛用、一押しの美容アイテム。年々、近いところが見えにくくなる大人女性の必需品。メイクだけでなく、口の周りに生えた毛や鼻毛などをきちんとチェックできます。旅先にも持っていける小さいサイズで、一度使うと手放せなくなります。上品なタッセルも美しく、ソフトケース付きです。
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