【ずっと会いたかった人】大人女性に人気の美容家・川邉サチコさん、美木ちがやさん(1/4)
今、大注目の2人の美容家がいる。川邉サチコさん、美木ちがやさんだ。20年前にスタートしたトータルビューティーサロン「KAWABE LAB」をベースに、メイクからファッションまで、母娘のユニットで「美しく生きる」方法を発信しています。
※今回から全4回にわたり、川邉サチコさん、美木ちがやさんのお2人に、きれいのヒントをお聞きします。大人の女性必携の、拡大鏡プレゼントもあります。
- ――お出しになる本が売れに売れて、メディアでお見かけすることが増えています!大注目ですね?
- サチコ:それが、全然自覚がないの! どうすれば女性をきれいにできるか。そればかり考えて仕事をしているうちに、この流れになってしまった。
ちがや:私は、ずっとサチコさんを見てきたから、わかるな。彼女は、美容の面でも生き方の面でも、ポケモンみたいに進化してきたので。
サチコ:私、ポケモンなの?(笑) 不思議ね。美容の世界で60年。ショーや広告……世界中で仕事をしてきたけれど、私の人生で、今がいちばん力の抜けた時代。いろいろなことを教えてくれた先輩方はもういない。私がその立場になったと気づいてから、のびのびしている自分に気づいたのね。
ちがや:いや、ずっと前からのびのびしていましたよ。
サチコ:のびのびというか、自由。
ちがや:はい、それは間違いない。 - ――失礼ながら、年齢を伺ってもよろしいでしょうか。
- サチコ:いいわよ~! 今、82歳。去年のお正月かな。娘家族と集まって食事をしていたとき、孫に「サッちゃん、何歳になったんだっけ」と聞かれて。急いで電卓をたたいたら、何と80歳!
ちがや:サチコさん、自分で驚いて、2,3日ショックを受けていたわね(笑)。
サチコ:自分の年齢なんて、考えたことがなかったもの。
ちがや:もしかしたら私と同い年くらいのつもりでいる? と思うこともあるの。
サチコ:ちがやさんは、56歳? 女性としての、大きな曲がり角ね。
ちがや:そう。白髪問題、体型問題、シワ・シミ・たるみ問題。お客様の悩みがリアルに理解できる、いい年齢になりました! - ――サロンで、女性のお客様が美しくなる仕事の分担はどうされているのですか?
- サチコ:私がヘアで、ちがやさんがメイクとお洋服のコーディネート。でも、トータルバランスを見なくてはきれいになれないから、2人で相談しつつすすめます。
ちがや:皆さん、すばらしく変身なさるんです。考え方、生き方まで変わる。
サチコ:きれいに、元気になってくれるお客様を見て、こちらも元気になる。「気」をもらっているのね。
ちがや:毎日、たくさんなものをプレゼントみたいに教えてもらっている。
- ――歩いていると声がかかるという、サチコさんの髪型について教えてください。
- サチコ:そうなの。道を歩いていると、妙齢のご婦人から「その髪、どうなさっているの?」と聞かれる(笑)。
ちがや:皆さん、悩んでいます。印象年齢って、肌よりも、実は、髪の要素が大きい。ふんわりしていることが、イコール若さなんですね。
サチコ:かといって、逆毛なんか立てません。私の髪の秘密は、ホットカーラー。髪の毛の流れに沿って巻く。すると、何もしなくてもぐっと上がる。これがコツです。
ちがや:手ぐしでさっとまとめてバレッタで留めるだけ。
サチコ:まとめ髪って、整いすぎると「和」になっちゃうのね。ラフなくらいが「今」の感じを出していいんじゃない? - ――髪の色もとってもきれいです。ホワイトブロンドというのですね?
- サチコ:見知らぬ若い人からも聞かれるのよ。「どうすれば、その色になるんですか?」って。白髪が増えて悩んだ時期もあって、グレイヘアもしたけれどぴんとこない。ホワイトブロンドに落ち着いたのは、76歳のとき。これは、ちがやさんのアドバイスがあってこそ。
ちがや:私の判断は「イケてるかどうか」の一点だけ(笑)。
サチコ:すごく感謝しているの。この人の意見、「きつい」と思うこともあるけれど(笑)、今何が流行っているか、ちがやさんはすごく情報が早い。
ちがや:「今を生きているドキドキ感」がいつも必要、って思うんですね。
サチコ:昔ながらの決まりごとのある着物だって、今らしい着方があるわけです。そこを無視していたら、整ってはいるけど、かっこよくないのよね。
- ――今流行っているアイテム、流行っているメイクを取り入れるということでしょうか。
- ちがや:一度は試してみますね。たとえば眉毛の描き方。少し前に太眉になって、今はもっと太く描くようになっています。力強い眉は、若さ、強さの象徴。人格まで表現できると思うの。
サチコ:ちがやさんの年齢で、きゅっと上がった細眉にしたら、ちょっと嫌味な女性に見えるでしょ?
ちがや:黙っていたって顔に迫力が出てきちゃう(笑)。だから、太眉だけれど、色はソフトにふんわりと。バランスをとるようにしているんです。 - ――何をどう取り入れたらいいのか、なかなか難しいのでは?
- サチコ:トライ&エラーでいいの。それから、プロの意見を聞いてみることも大事。私たちが目ざすものって、「ラクでかっこよく見えること」。その代わり、お手入れが必要だし、テクニックが必要。それを、今悩んでいる女性たちに伝えていきたいの。
ちがや:年を重ねると“条件”が悪くなるわけじゃない。だから、美しさの定義や価値も、年齢とともに変わっていいと思うの。
サチコ:メイクを変えると「これは、自分じゃない!」というお客様もいるのだけれど、そのお顔で帰ると「家族や友人がすごくほめてくれる」ことにびっくりして、喜んでいる。私たちの仕事は、そこなの!「気づいてもらう」ってこと。
ちがや:みんな、情報がほしいのに、どこに求めていいかわからない。
サチコ:自分の魅力、個性に気づかない。
ちがや:ご主人を亡くし、夢中で子育てして、やっと手が離れたときに「私って何なのだろう?」って相談にいらっしゃるのだけれど、私からすると、すごく芯が強くて、落着きや謙虚さ、穏やかさが顔にあらわれて、女性としての底力を感じる方が多いんです。
サチコ:ちょっとの変化、ちょっとの勇気があれば変われるんです。
- ――お2人の言葉、すごく励まされます。自信はもつ、でも、過信して放っておいてはいけない……。
- サチコ:アップデートする。変化に対応してね。
ちがや:合言葉は、ポケモン。進化(笑)。
サチコ:髪悩みが多いとお話しましたけれど、肌悩みもとても多い。でも、シミ・シワ・たるみに過剰にフォーカスするより、ファッションや姿勢、表情など、トータルに考えないと。 - ――今の自分にぴったりのスキルをもつということですね?
- サチコ:「このシミさえなければ!」と引きこもってしまうくらいなら、レーザー治療もいいと思うの。でも、毎日のお手入れで変わっていくシミもある。
ちがや:私が今、注目しているのは、さすが製薬のメソッドで開発した製品と思うのだけれど、コウジ酸やほかの美白成分と組み合わせて、ピンポイントでシミケアができるもの。デルメッド ホワイトニング スポットクリームというのだけれど、これは優秀です。
サチコ:ベースにホワイトニング クリームをつけて、気になるところだけ、スポットをつけるのね。
ちがや:黄ぐすみに対応しているというのが、私たち以上の年齢の女性にうれしい。どうしても肌の色は確実に変わってくるので、ちゃんと効果を出してくれるかどうかが、化粧品を選ぶポイント。これは、味方につけておいてほしいアイテムですね。
- ●第2回は、お2人に、年齢を超えた着こなしのヒントを教えていただきます。お楽しみに!
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左・川邉サチコ(かわべ・さちこ)
トータルビューティークリエイター、「KAWABE LAB」主宰
1938年東京生まれ。女子美大卒業後、パリでメイクアップを学ぶ。ディオール、サンローランなどのコレクションでヘアメイク担当。広告、TV、舞台で、女優やアーティストのイメージメイキングを担当。現在、大人のトータルビューティサロン「KAWABE LAB」を娘・ちがやと主宰。
右・美木ちがや(みき・ちがや)
トータルビューティークリエイター
1963年東京生まれ。美容家の家系に生まれ、学生時代からインテリア、ファッションのスタイリングを手がける。その後、ヘアメイクアップアーティストとしても各方面で活躍。「KAWABE LAB」では、母・サチコとともに、ヘア&メイクとファッションをトータルで提案。
Instagram@kawabelab
Instagram@sachiko_kawabe
Instagram@chigaya_miki
撮影・青木和義 構成と文・越川典子
拡大鏡の名品「ミロワール・アルパン」23,000円(税別)を2名様にプレゼントします。
直径8㎝、両面ミラー・片側拡大7倍の拡大鏡。フランスの職人が手作り、その技術と優雅さに定評がある「ミロワール・アルパン」の名品です。川邉サチコさん、美木ちがやさんが愛用、一押しの美容アイテム。年々、近いところが見えにくくなる大人女性の必需品。メイクだけでなく、口の周りに生えた毛や鼻毛などをきちんとチェックできます。旅先にも持っていける小さいサイズで、一度使うと手放せなくなります。上品なタッセルも美しく、ソフトケース付きです。
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