【ずっと会いたかった人】】落語家・柳亭こみちさんの流儀(1/2)

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2022.6.16

主人公も男性ならば、演じるのも男性という落語の世界で、古典落語の「女性版」を創り、演じているのが柳亭こみちさんです。既婚で2人の子どもの母でありながら真打に昇進したのは、落語協会で初めてのこと。こみちさんにとって「女性であること」「落語家であること」とは? 今年の独演会に行ってみました。

※今回から2回に渡って、柳亭こみちさんのお話を伺います。オリジナルの扇子とてぬぐいをセットにしてプレゼントします!応募フォームはページの最後にあります。

――ここは国立演芸場。こみちさん、こちらでの独演会は11回目ですね。
真打に昇進したのが2017年。走り続けてきたところでのコロナ禍。高座に上がれない時間が続いたこともありました。再びお客様にお集まりいただけるようになって、本当にうれしいです。空席以外は満席。精一杯、つとめさせていただきました。
――今日は、「そばの清子」「七段目」「女版 不動坊」と3席でした。どの噺の中でも、女性が活躍して楽しかったです。
江戸時代にも、女性は男性と同数いたわけですし、単にスポットライトが当たっていなかっただけで、生き生きとした存在感があったはずです。現代の女性が(落語を)聞いても「こういう女性、いるいる!」とリアルに感じてくれるとうれしいですね。「そば清」は、大食いの女性、清子を主人公にしたので「そばの清子」に。「七段目」には、本来登場しない若旦那の妹「お花」を出しました。「不動坊」も、男性をとりまく女性たちの噺に。女性版にしたことで、女性が演じるときにより自然に聴ける噺もあることを知ってほしいです。
5月19日国立演芸場での独演会「落語坐こみち堂XI」にて。帯揚げ、帯締め、座布団を橙色でまとめた。
日舞や長唄をたしなむこみちさん。高座では、自慢ののどを聞かせ、それを楽しみにしているファンも多い。
演目「そば清」は大食いの男性が主人公だが、「清子」という女性にした「そばの清子」に改編。
――もともと、古典落語ひとすじに修行をしてきたとお聞きしました。
はい。古典落語をまっすぐに演じたいと思っていたので、女性落語家とか女流とか言われることがイヤでした。それだけ濃い修行をしてきたという自負もあったからです。ところが、今日の噺は手応えがあった! と思った高座でも、「女のわりに違和感なく聞けたよ」「女性って感じがしなかったね」と。それは誉め言葉として私にかけてくれた言葉なのですが、私にはそれこそ違和感でしかなかったんですね。
――女性を登場させようと思ったきっかけは、何かあったのでしょうか。
三遊亭白鳥師匠の作で「長屋の花見 おかみさん編」を演ったら、それはもうお客様がとんでもなく喜んでくれたんですね。その客席を見て、「あ、お客様が喜ぶってこういうことなんだ」と理解したのだと思います。
――同じ演目でも、女性であるこみちさんが演じたからの結果。「女性であること」はマイナスではなかったのですね。
一部のお客様からも「女性にしかできない落語を演ってよ」と言われてはいたんです。考えが変わったのは、二ツ目の頃でした。寄席の番組にずらーっと面白い師匠方が並ぶのを見ながら、一体、私にしかできないことは何だろうとずっと考えていました。そうしたら、「私にしかできないこと」の中に、「女性であること」があったんです。
2席目の「七段目」を終えて、高座から下りるこみちさん。
――お着物も、こみちさん、女性のものをお召しになっていますね。
男性の着物で演じる女性落語家もいます。本人の考え方、所属する一門の考え方もあると思います。私の師匠の柳亭燕路は、女性であることを否定したことが一度もありませんでした。修行中から、「女の着物で演ればいいよ」と。
――こみちさんらしく、ということだったのでしょうか。
自然体であることが大事だと教えられた気がします。「お前はお前なんだから。お前にしかできないことを演りなさい」という師匠の言葉が、いつも私の後押しをしてくれていたのだと思います。
――ご結婚も大変だったのではないでしょうか。
結婚した2010年当時は、結婚後も落語家を続けている女性は落語協会にはいませんでしたね。女性の落語家は結婚しちゃいけない。するとダメになる。そんな風潮があったのはたしかです。でも、師匠・燕路に結婚したい旨を話しに行ったときに言ったのは、「私は師匠や大師匠(十代目柳家小三治)のような噺家になりたいです。師匠も大師匠も結婚しています。私も同じように結婚したいんです」と。師匠は「ああ、そうか」と(笑)。ま、それ以外言いようがないですよね、正論だと思います(笑)。
――お子さんも2人いらっしゃいます。
出産も、私にとっては自然の流れ(笑)。でも、実際は大変でした! 真打に昇進したときは、下の息子が1歳9カ月。授乳中でしたから。今考えると、無我夢中でしたね。出産して1週間後には高座に上がっていましたから。
3席目の「女版 不動坊」を演じるこみちさん。客席は、女性の姿も目立つ。
高座のこみちさんは、パワフルだ。結婚も子育ても、あらゆる経験が落語の演出に大きくつながっているという。
――こみちさん、メイクもされています。
高座に上がるときは「女性であること」を疎ましく感じていた時期もありました。でも、「自分らしい」ことは何か考えたら、メイクをするほうが自然なことでした。ファンデーションをつけて、眉を描き、ほほ紅も口紅もつけています。よく見てください。アイラインも、マスカラもしてますよ~!
――噺のじゃまにはなりませんか。
芸は姿形だけで演じているわけではないのですが、さすがにつけまつ毛をすると、男性の役を演じにくいでしょうね。今の私は、男女の子ども、若い女性から高齢女性、若い男性から高齢男性まで当たり前に演じているつもりです。ギリギリの女性らしさを出した、自分なりに計算し尽くしたメイクとヘアなんです!! 
――では、スキンケアも怠りなく、ですね?
うちの一門は「修行時代に手が荒れた人は出世する」と言われますが、私も手は本当に荒れたので出世すると思いたいです(笑)。「手だけはきれいだね」と言われていた私が、入門2か月後にはあかぎれだらけになり、修行の勲章とは言え、女心は切なかったです(笑)。今も、正直、ていねいに肌のケアをする時間はありません。だからこそ、大事にしたいのは、きれいに「落とす」こと。このデルメッド バーム クレンジングは、肌にのせると水のようになって、肌に負担なくメイクを落としてくれて、すっきり、しっとり。いちばんのお気に入りです。
出番30分前に着付け。鏡のない楽屋もあるが、さっと15分もかからず着る。「きっちり着ていないと、お客様がその噺家の噺を聞く気にならないと思います」
デルメッド バーム クレンジングは、肌にストレスなく落とせるところが好きだと話すこみちさん。

商品

メイク落とし バームタイプ

バーム クレンジング

【商品番号】 396 【容量】80g

通常価格3,960円(本体価格3,600円)

公式サイトで購入
※次回の配信は、7月7日。柳亭こみちさんが目指す「新しい古典落語」についてお聞きします。

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柳亭こみちさん(りゅうてい・こみち)
落語家

1974年東京生まれ。早稲田大学卒業後、出版社勤務。その後、落語家を志し、2003年に柳亭燕路に入門。2006年、二ツ目昇進。2017年、真打昇進。既婚・子ども2人の女性落語家が真打に昇進したのは落語協会初。趣味は、ピアノ、ギター、ウクレレ演奏と多才。日本舞踊(吾妻流名取 吾妻春美)、長唄もたしなむ。「歌って踊れて、古典落語がしっかりできる噺家を目指しています」(こみちさん)

公式サイト「こみちの路」

撮影・森山祐子 ヘア&メイク・レイナ 構成と文・越川典子

★柳亭こみちさんオリジナルの扇子と手拭い1枚(計5,000円相当)を10名様にプレゼントします!

扇子と手拭いは、どちらも柳亭こみちさんオリジナルです。扇子は女性が使ってちょうどよい小さめの女扇(めせん)で、一門の紋「変わり羽団扇」が入っています。市松模様のてぬぐいは3色ありますが、色指定はできません。この夏、必携のセットです。どしどしご応募ください。