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【ずっと会いたかった人】山田香織さんから教わる「彩花盆栽」の作り方(3/4)

自分の心にある風景を、寄せ植えで作り上げる「彩花(さいか)盆栽」。「イメージの世界です。どんどん広げていってくださいね」と話す山田香織さんは、彩花流盆栽の家元でもある。一体、どんなふうに作るのでしょうか。

※最後に山田香織さんデザインの彩花盆栽と著書のプレゼントがあります!

――彩花盆栽の風景って、どんなふうにイメージするのでしょうか。
現実の風景でも、空想の風景でもいいんです。たとえば、思い出の風景。幼いころ過ごした故郷の雑木林、昔住んでいた自宅の庭、旅先での忘れられない並木道……。印象的だった物語の世界、理想のお庭、写真で見た景色、いつか訪れてみたい思う空想の庭。
――たしかに、誰もが心の中に風景をもっています。
それを、ひと鉢の中に落とし込むわけです。
――初心者でも大丈夫ですか。
もちろん! 風景をデザインする黄金率があるので、それをお伝えしながら、作っていきます。都会ではガーデニングをしたくてもできないという方も多いですが、花が咲いたり紅葉したりする彩花盆栽ならば、春夏秋冬、1年中楽しめます。寒い季節も、部屋で作業をすることができますから。
――教室に参加してみたくなります。
いつでも、どうぞ(笑)。東京・神奈川・埼玉と、7カ所お教室があります(1日体験教室の問合せ■0120・464・870)。講師は、私をはじめ、女性が多いですね。参加される方も女性が多く、2割くらいが男性でしょうか。年齢も、20代から60、70代まで幅広く、全国からおいでになりますし、生徒さん同士の情報交換も活発です。
中心になるチョウジュバイの根をほぐすことから始まる。今回は、可憐なヒナソウと寄せ植えにする。
――参加した生徒さんの声を聞かせてください。
皆さん、ものの見方が変わるようです。美術館で絵画を見ていたときに「この絵を盆栽にしたい」と思って、次のお教室にのぞんだという方。樹木がどんなふうに生えているか知りたくて、山登りを始めた方。散歩の途中などでも、生えている植物をよく観察するようになった方。庭園巡りや器を探す旅が趣味になった方。素敵なお庭を見かけると気になって仕方がないとおっしゃる方も。
――感性が豊かになりますね。
盆栽は、四季で変化する、最も身近な「自然の姿」です。人間って、どこかで自然にふれていなければ生きていけないのではないでしょうか。
――ダメにしてしまうのではないか、と不安になりますが…。
はい。弱らせてしまうこともありますが、何ごとも失敗から学ぶんです。置き場所が悪かったのか、夏の水やりが少なかったのか、肥料を与えすぎたのか、冬寒がらせてしまったのか。育てているうちに次第に愛情が湧いてきて、2年、3年になると、「この子」「うちの子」「ボンちゃん」「サクラちゃん」と呼んでいらっしゃいます。親心ですね、もっとよくしてあげたいと思ったり、病気になったときに悩んだり。何年かして、ひと通り体験すると、もうやめられない(笑)。そういう方ばかりです。
植えたい植物、鉢、土、根切りばさみ、やっとこ、針金切りばさみ、ピンセット、竹箸など。
オリジナルデザインの彩花盆栽用の鉢。小さい鉢で大きな世界を作る。
――育てるという点がフラワーアレンジメントなどとは決定的に違います。
それも、1年、2年じゃなくて、5年、10年、20年という「息の長い」作業です。左の枝がいい感じなので活かしたい。どうしたらいいか。じゃ10年後にはこの形にしよう、というように見る。この枝、もうダメかもと思っても、きれいに育つことも。要は、どう形を作り、どう育てるか。写真を撮っていくと、まるで劇的ビフォア・アフター(笑)。
――ペットのトリミングか、女性にとっての美容院?
たしかに上手な人が手を入れると、美しくなります。見て美しく感じる「基本樹形」が盆栽にはいくつかあって、その美しさとは「自然の風景を感じられるか」に尽きるんです。その形に向けて最短ルートを考えるわけです。
――時間と手間をかけることで人は変わりますか。
植物にふれることが心のバランスをとるのにもとてもいいんです。とくにコロナ禍の今、毎日水を上げている1本の木に勇気づけられています、という方も。この春も、芽が出て、つぼみがふくらみ、花開く姿を見ることが支えになったという声もたくさんいらだきます。何より、私自身がそうですから。
「手のひらサイズがおすすめ」の理由は、リビングなどになじみやすいからと山田さん。
――手のひらサイズ。ミニチュア玩具を作るように、夢中になってしまいますね。
植物や土にふれてリラックスすることもあるでしょうが、小さな世界を作ることに集中すると、あっという間に時間がたつと、皆さん、おっしゃいますね。
――箱庭を作っている感覚でしょうか。
ミニマムな世界です。この小さな世界で何と何を組み合わせようかと考えると、とても奥深いと思います。
――ご自身の暮らしにも影響はありますか。
ミニマリストとまで言えませんが、私は、相当な片づけ魔で。和室の畳の目地がすべて見えていないといやですし、服もクローゼットの中に納まる分しか買いません(笑)。忙しい人ほどモノを持たないほうが、ストレスなく毎日を過ごせるのじゃないでしょうか。
――愛用品は厳選されるのですね。
「今の自分に合うモノは?」と自問自答して、モノを減らしていったのが30代半ばです。最近も一つ決めたアイテムは、メイク落としのデルメッド バーム クレンジング。手のひらにとるとバームが水のようにすっと溶けて広がって、肌をなでるようにメイクを落とすと、すっきりするのに、あとしっとり。優秀です。
「これ、と決めたら、使い続けます」と山田さんが絶賛する、デルメッド バーム クレンジング。

メイク落とし バームタイプ

バーム クレンジング

【商品番号】 396 【容量】80g

通常価格3,960円(本体価格3,600円)

●第4回は、4月15日配信。山田さんが考える、これからの「彩花盆栽」について伺います。

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山田香織(やまだ・かおり)
盆栽家、盆栽清香園5代目、彩花流盆栽家元

幼い頃より、跡取りとして盆栽の指導を受ける。父・山田登美男が創始した彩花流盆栽の第一後継者として、1999年に「彩花盆栽教室」を設立・主宰。埼玉・盆栽町・大宮、東京・表参道・日本橋・新宿・池袋、神奈川・横浜など7カ所にて指導をしている。NHK「趣味の園芸」元キャスター。海外ブランドとコラボ作品を作るなど、積極的に盆栽の美しさ、価値を国内外へ発信している。二児の母でもある。著書に『山田香織のはじめての盆栽樹形』『小さな盆栽の作り方・育て方』『山田香織の盆栽づくり とっておきの“いろは”』など多数。

盆栽清香園 http://www.seikouen.cc/
Instagram @bonsai_seikouen

彩花盆栽1日教室の申し込み
 0120・464・870
メール otoiawase@seikouen.cc

撮影・青木和義 ヘア&メイク・レイナ 構成と文・越川典子

山田香織さんの「彩花盆栽」(8,800円)と著書『はじめての盆栽 失敗しない8つのコツ』(1,760円)をセットにして5名様にプレゼント!

チョウジュバイ(長寿梅)×ヒナソウ(雛草)を寄せ植えした「彩花盆栽」です。チョウジュバイは2月から5月まで長く花を楽しめ、条件さえそろえば秋に開花することもあります。おめでたい名前から、お祝い事の贈りものにも喜ばれています。ヒナソウは、毎年春に花をたくさんつける、山野草です。どちらも育てやすい植物ですが、お手入れの方法はプレゼントの書籍をご参照ください。尚、特別な梱包が必要となるため、清香園から直接ご送付することになります。