【ずっと会いたかった人】京都から靴作りの楽しさを発信する長谷川良子さん(4/4)

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2020.10.15

コロナ禍で中止していた「靴教室」がいよいよスタート。少人数でトライしていきたいと、長谷川良子さんは話してくれました。工房のサロンで伝えていきたいこととは?

――靴教室、いよいよ始めることになりましたね。
そうなんです。赤ちゃんを迎える、または迎えたパパやママのためのベビーシューズ教室、どなたでも参加できる手縫いのルームシューズ、カジュアルシューズ。工房の2階にあるサロンで、ワークショップ形式でしたいと考えています。コロナの影響で、2人とか3人くらいで。マンツーマンでもいいと思っています。
――どのくらいの期間かかるのでしょう。
だいたい3~4回通っていただければ作れます。集中していらしてもいいですし、1年かけてじっくり作りたいという方も、ご都合で。自分のために、あるいは誰か大切な人のために、ひと針ずつ手縫いしていきます。
植物性タンニンなめしの革は、発色が自然で美しい。「革やステッチの色を選んで、オリジナルなものを一緒に作りましょう」。長谷川さん自身も、わくわくしているという。
――もともとモノを作るのはお好きだったのですか。
小さいころから、なにがしか作っていましたね。リカちゃん人形のハウスを、一人もくもくと手作りしていましたから(笑)。靴も、その延長ですね、きっと。形にしていく楽しさと、集中して手を動かしていると気持ちもすっきりします。
――何だか楽しそうです。
もう、むちゃくちゃ楽しいです! 全身を使うし、全感覚を使う。その楽しさを伝えたいですね。もちろん、その先には、作った靴を長く側においてほしいし、大事にして足になじむ感じを存分に味わってほしい。
工房では、11:30~18:00が作業の時間。「オーダーのお客様のお話を聞いていると、1日が終わってしまうことも(笑)」。ひたすら、その人の「困った」を解決したい一心で。
――10年後の自分をイメージすること、ありますか?
う~ん。「靴とともに」としか思い浮かびません。カラダが動く限り制作をしていると思いますね。私は自分を「動」の人、と言いましたが、もしかしたら誰でもそうなのかもしれませんね。
――ホームページには、「人もモノも、常に一定ではない」とありますね。
関係性ですね。人と人もそうですし、人とモノもそうではありませんか。「感情というややこしくて温かなものが介入して変化していきます。溺愛したり、雑になったり、距離を置いたり、見直したり。それでもやはり側にいて、たくさんの月日が流れて、深まりゆくものがある」――そう書きました。
――変化を愛する人でありたいという思いが伝わります。
月日が深めてくれるんですね。どう対応するかによって、なのですが(笑)。靴だって、お手入れしないと深まってくれないですから。人間関係も、見つめ直すことで意味が深まります。たしかに(笑)。アメリカ、ドイツ、日本では青梅、茅ケ崎、そして京都。目の前の飛び石にポンと飛び乗って変化していくことが好きなので、「動」の人生です。場所は大事ですが、絶対ではない。もしかしたら、また海外に住む日があるかもしれないですし。世界のどこにいても、私は私。私がいるところが工房です。
長谷川さんが5年履いているブーツ。もとはネイビーだったのが、今はカーキに。「これをお見せして、経年変化を楽しんでもらいたいとお伝えしています」。
――理想の女性像って、おもちですか。
しなやかな女性に憧れますね。根を深く張り、のびやかでどこまでもしなることができる。それでいて、すっとまっすぐな自分にいつでも戻れる、そんな女性でありたいと思います。理想ですけれど。
――まっすぐと言えば、長谷川さんの髪はストレートできれいです。
いえ、ボリュームがなくなってきているのが、目下の悩みです。ずっと若くありたいとは思いませんが、今の私のいちばんいい状態でいたいとは思います。最近、デルメッド ヘアエッセンスを使い始めて、ぐっと抜け毛が減ってきました。誰にも気づかれなくても、ちょっとうれしいんです。
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長谷川良子(はせがわ・りょうこ)靴職人

「GROWOLD(グロウオールド)」主宰ー

アメリカで大学卒業後、国際線客室乗務員として勤務。生花店を立ち上げたのちに、結婚してドイツに在住。革の子ども靴に興味を抱き、靴の製作を本格的に学び始める。2009年、神奈川県・茅ケ崎市で靴工房「Waldweg」を立ち上げ、のちに東京・青梅市に工房を構えるが、2016年京都市に移住。ブランド名を「GROWOLD」と改める。国内外からオーダーを受け、半年から1年待ちの人気の工房に。

https://www.growold.jp/
Instagram@growold_shoes

撮影・青木和義 ヘア&メイク・桒原千鶴(HAIR PITS) 構成と文・越川典子

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