モデル・優恵の笑顔日記「明日も笑う所存です。」

ESSAY vol.22

エッセイ

【モデル・優恵の笑顔日記『明日も笑う所存です。』】 Vol.22「2022年もふふふふふでございます。」

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2022.1.26

アイデアの引き出し。

大好きなアイテムのジレ。意外と活躍する時期は短いので、気に入っていても年に数回しか着ないこともありますが、その分長く大切にしています。中でもFORのジレは本来の役割(背中とお腹を温める)をきちんと果たした上で心憎い魅力に溢れている、と着るたびに思います。黒いカシュクールのリボンはちゃんと同じ糸で編まれていますし、グレーのロングジレはエリザベス1世のように襟が二重になっているのです。(大きなボタンは、偶然にも持っていたイヤリングにそっくりでした。)アイデアを引き出しから的確なタイミングで取り出すことができる、そのセンスにうっとりです。

「そうでなくても良いのだけれど、そうであったら尚素敵」というアイデアに溢れた FOR Flowers of Romance のお洋服です。

サスペンダーと友の笑顔。

中学生の頃に、父がスキーへ行く時に使っていたサスペンダーを黙ってわたしの物にしました。伸び切ってしまってもう使いませんが、なんとなく取ってあります。20代に買ったサスペンダーは幅が広くて肩に掛けていても苦にならず、サイズの大きなデニムパンツと合わせてとてもよく使いました。このサスペンダーをしていると仲の良かった友人が「おしゃれしてどこに行くの?」と聞くのです。その夜会った男の子にその話をすると、笑って「可愛いね」と言ってくれました。30年も前のことですが、わたしの中でサスペンダーとふたりの笑顔がセットになっています。

一番右は40代に選んだもので、こちらもよく使います。サスペンダーって意外と便利なのです。

我が家の海を集めました。

10代の頃から撮影で海や森や川へ行くと記念に貝殻や落ちた木の実や石を拾って持ち帰りました。空瓶にその日の記念の品を入れて日付と場所を書いたラベルを貼って部屋の棚に並べます。本当は海の近くや森の中や川のそばで暮らしたいのですがそうもいきませんので、棚の小瓶を眺めて「もしも海の近くに住んだなら」と家の造りやインテリアを想像して楽しみます。そして、わたしの訪れた海は変わらずに今も美しいだろうかと、貝殻を手に思いを馳せるのです。

というわけで、我が家の至るところに、ベランダにも、たくさんの記念の品が置いてあります。

新しいおまじない。

デルメッドのプレミアム クリーム No.1、成分が新しくなって肌に伸ばす時の指先の感覚が「包む」という言葉を思い起こさせます。フランカブランカ、コウジ酸、セラムバイタル、嬉しい魔法の呪文でわたしを包んでしまうのです。日が短いだけで疲れを感じる冬、気分良く眠れますように。明日も笑って働けますように。家族に優しくできますように。おでこに新しいクリームを塗りながらおまじないです。

新しくなったプレミアム クリーム No.1はレフィル方式になりました。

文と写真・優恵

優恵

ゆえ

モデル・俳優。ティーン誌『mc Sister』の専属として活動を始め、カバーモデルをつとめる。『non-no』『SO-EN』など多くの女性誌、TVコマーシャル、ファッションショーなどで活躍。20代後半からは映画、ドラマに出演し、活動の場を広げる。近年の出演作品に、美玖空トライアル公演「女は女で、女である」(2021・美玖空 脚本/演出)、『秘密のフレグランス』(2021・富田大智 監督)、『Motherhood』(2019・萬野達郎 監督)、『しあわせだったにゃよ』(2019・利重剛 監督)、『午後の悪魔』(2017・中村真夕 監督)、『アイズ』(2015・福田陽平 監督)、『PASSION』(2008・濱口竜介 監督)、インスタシネマ『女図鑑』(2019・美玖空 脚本)などがある。ドラマとファッションとおいしいものと花をこよなく愛する。フォトエッセイ『昼寝の前に』を連載中。https://6ropeway6.com/

撮影・青木和義