【ずっと会いたかった人】デザイナー・鈴木ゆうみさんのチャレンジ(2/2)

  • facebook
  • Twitter
  • LINE
  • はてなブックマーク

2022.9.2

デザイナーであり、経営者でもあり、また2児の母でもあるデザイナー・鈴木ゆうみさん。ブランドの立ち上げから今年で15年。仕事面でも、プライベートでも、あらたな展開が見えてきそうです。

※記事の最後に、YuumiARIA(ユウミアリア)のTシャツ(15,400円 税込み)のプレゼント情報もあります。

――今年の秋冬のデザイン、モダンな中にも、どこかなつかしさを感じますね。
はい。このAW(秋冬)のテーマは「70年代の要素をYuumiARIA(ユウミアリア)らしく解釈して落とし込んだコレクション」です。古着の要素がありつつも、新しさを感じる。新しいのだけれど、どこかノスタルジーを感じる。モードにもカジュアルにも着こなせる、そのバランスを楽しんでもらえると思います。
――今、着ていらっしゃるワンピースの柄も、レトロですね。
このワンピースは、コーデュロイにオリジナルプリントをほどこしたもの。生地は、もともとパンツに使われる丈夫な素材で、機能性も抜群なんです。色、柄、デザインだけではない要素が必ずどこかにある、そんな服が、ユウミアリアの服なんです。
――手にとると、生地そのものに手がかかっていることがわかります。
あちらの白いコートも、刺し子のように、布を重ねて作ったオリジナル生地で作っています。布屋さんとも、こんな布はどう? あんなこともできますよ、とくり返し打ち合わせをして、各シーズンに必ず新しい布を加えています。説明していて楽しいし、お客様も聞いて楽しい。何より誰かに話したくなる。そういうストーリーがたくさんあります。
しっかりしたコーデュロイ生地は、長く着られるように。「シーズンを超えて、コーディネイトしてほしいから」
「誰かに話したくなるストーリーがある生地、服を手渡していきたいと思う」と鈴木さん。
――ブランドコンセプトが「UNUSUAL(アンユージュアル)」ですね。その理由は?
普通のようで、普通ではないファッションをコンセプトに、ベーシックな女性らしさの中に、メンズウェアにある機能性を取り入れて提案しています。デザインやシルエットはシンプルだけれど、ディテールがユニーク。生地はノーマルだけれど、デザインに遊び心がいっぱい。だから、その日の気分に合った着こなしができるように作っています。
――フリンジのキャミソールドレスも、かわいくて楽しいです。
フリンジって動くと揺れて、かわいい。私も大好きです。これはキャミソールドレスですが、下にタートルネックやTシャツを重ねてもいい。ちょっと着てみますね(下写真)。どうでしょう? 秋冬なら、このように上からニットを着てもいいんです。もちろん素肌に1枚で着れば、ちょっとしたパーティに着られます。ただ、パーティにしか着られない服じゃ、もったいないですよね。
――こんなラグジュアリーなラインにも、ポケットがついています!
わかりました? ユウミアリアは、基本どのラインも、ポケットをつけたデザインが多いんです。身に着けておきたい必要なものってありますよね。お客様は、喜んでくださいます。「あ、ここ、ポケットになっているの?」。一見、わからなくて、よく見るとわかる。「見つけた!」と楽しみにしてくださるお客様も多いんです。何年もたってから、「ユウミアリアの服って、全部、ポケットついていますよね?」と言われることも。やっと気づいてくれましたか、と(笑)。
フリンジのキャミソールも、カジュアルに着こなせる。帽子は、デッドストックの帽子に手を加えたオリジナル作品。
一見、ポケットに見えないデザイン。手を入れてみて、楽しい驚きがある。
――長年着てくださっているお客様が多いのですね。
はい。過去のアーカイブコレクションと現在のコレクションをミックスして着てくださったりするのを拝見すると、本当に嬉しい気持ちでいっぱいです。言葉でおっしゃらなくても、自分のモノになさっている姿に、すごく励まされる思いがします。
――ブランドを立ち上げて15年。
服づくりに対して、もっと愛用深く、一つひとつへの思いがより深くなっていることを感じます。もっとチャレンジしなくては、と。
――なぜですか?
子ども2人(6歳、2歳)を抱えて、仕事に子育てにがむしゃらに走り続けていましが、ふと立ち止まらざるを得なくなりました。去年、大切な家族と死別し、当たり前のように毎日過ごしてきた日常が、当たり前ではないと気づいた。そのことで、私の価値観は大きく変化し、日常の素晴らしさをしっかりと感じながら生きていきたいと思いました。誰かの気持ちは、いったんすべて受け入れる。自分の気持ちも、どんどん人に伝えるようになりました。とくに今、人と直接会う機会が減っていますよね。だからこそ、表現したり、伝えたりすることがより大切なことのように感じています。もっと「自分と向き合おう」と思ったんです。
――向き合うとは?
自分を大切にする……と言ってもいいと思います。だから、今のこの気持ちを書きとどめるようにしているんです。子どもが寝てから、書くことで自分を見つめる時間をもつことで、自分のケアをしていこうという感覚が戻ってきたんですね。
デザインのアイディアなどを書きとめるノート。毎日、自分の思いを書き綴るノートなどを使い分けている。自分の気持ちを整理するため。(小物は、ユウミアリアのオリジナルアクセサリー)
――人生観が変わったのでしょうか。
人生、もっと楽しもう、もっと味わおう、と思うようになってきました。ようやく、最近ですが。ヘアスタイルやメイクを替えたりするのも、自分の表現のひとつ。もっと表現しよう、と思うようになりました。
――ヘアスタイル一つ、メイク一つで、気持ちは大きく変わります。
先日美容院に行ったら、長年担当してくれている人に、「髪、きれいになりましたね」「何か、変えました?」と驚かれたんです。何十年もクセ毛で悩んでいて、美容院でカットしても、髪型が2日ともたなかったんですが(笑)。これをつけてるんですよ、と教えました。
――デルメッド ヘアオイルですか?
優秀です。このオイルを使うようになって、パサパサがなくなり、髪のおさまりがすごくよくなりました。落ち感がとてもいい。使い心地がさらっとして、ふわっと感じる香りにも癒される。毎日、支えてもらっています。
好みのケアアイテムは、自分の人生を支えてくれるもの、と話す。写真は、最近リニューアルしてより使い心地がアップしたデルメッド ヘアオイル(100ml 3,520円)だ。

商品

洗い流さないトリートメント

Newヘアオイル

【商品番号】480【容量】100mL(約1.5~2ヶ月分)

通常価格3,520円(本体価格3,200円)

公式サイトで購入
※次回は、9月16日配信。スープ作家の有賀薫さんが登場します。

関連記事

鈴木ゆうみさん(すずき・ゆうみ)
デザイナー

2001年文化服装学院卒業後、メンズブランドを経て、独立。2008年より古着をベースとした一点もののリメイクラインをスタート。2011年より、ARIAコレクションラインをスタートさせ、「unusual」をコンセプトに、ベーシックな女性らしさの中にメンズウェアにある機能性を取り入れたリアルクローズを展開。2014年より「YuumiARIA」に改名。TV『プレバト』のリメイク服の審査員としても活躍。アトリエ訪問は要予約(☎03・6411・4494)。

YuumiARIA(ユウミアリア)
Instagram @yuumiaria_official

撮影・黒川ひろみ ヘア&メイク・レイナ 構成と文・越川典子

★胸元のフリルがかわいい「YuumiARIA」のTシャツ(15,400円 税込み)を3名様にプレゼント!

Tシャツ「EMBROIDERY FRILL T-SHIRT」、15,400円(税込み)は、2022年春夏のコレクションの中でも人気の高かったシリーズ。左からホワイト×ベージュ、ブラック、ホワイトの3色のうち、いずれか1枚をプレゼントします。胸元には、額縁のようなフリルをつけてニュアンスを出しています。まるで、現代アートを身につけているような気持ちになります。フリーサイズ、色指定はできません。どしどしご応募ください。