【ずっと会いたかった人】デザイナー・鈴木ゆうみさんの仕事の原点(1/2)
SDGs(持続可能な開発目標)が注目されるずっと前から、持続可能なモノ作りを目指して、楽しい仕掛けがいっぱいのファッションを提案してきた「YuumiARIA(ユウミアリア)」デザイナー、鈴木ゆうみさん。そのデザインに込められた願いを聞いてきました。
※今回から2回に渡って、鈴木ゆうみさんのお話を伺います。記事の最後に、ユウミアリアのTシャツ(15,400円 税込み)のプレゼント情報もあります。
- ――アトリエの窓辺にあるガラス瓶、あれはボタンでしょうか?
- はい。私の原点である「リメイク」を続ける中で、集めているボタンや金具たちです。今では作れない色や形、素材もあって、1点モノの服を作るときには役立っています。2008年から続けていますが、「要らないと言われた服」「眠っている服」を生まれ変わらせたかった。新しい価値観を提案するのが楽しくて仕方なかったんです。
- ――リメイクも、定番になっているのでしょうか。
- このネルシャツは、毎シーズン、古着のリメイクラインとして色や形を変えて出しています。このブルーのチェックのシャツは、後ろと前、どちらでも着られます。印象が変わるので、その日の気分やコーディネートで着こなしてもらえるところをお客様は楽しんで頂けています。
- ――今着ていらっしゃる白いシャツ、コレクションラインですね。動くと、ユニークですね。
- あ、幅が広いのがわかりましたか? 実は、これ、もともとの生地幅をそのまま生かして作った作品なんです。服を裁断したあとの生地は廃棄されてしまうのですが、私は捨てたくない、余らせたくないんです。どうしても端布が出たときは、工場から戻してもらい、バッグやアクセサリーを作っています。工夫さえすれば「ムダにならない」ということも、デザインで伝えていきたいと思っています。
- ――グレーのベストも気になります。
- 細く裂いたリボン状の布を縫いつけています。これも、ムダの出ないデザインと言えますね。それに、後ろにも前にも着られて、すごく便利で、人気アイテムです。私のデザインは、どんな年齢、どんな体型、どんなキャラクターでも着こなせる服を目指しています。たとえば、シャツやジャケットはあえて左前に作り、誰でも着られるよう、ジェンダーレスにしていることも特徴ですね。
- ――どんな女性を思い描いてデザインするのでしょう。
- レディースブランドではありますが、様々な方に自由に着ていただきたいと思っています。実際にデザインを思い浮かべるときは、目の前に、自分や周りの方々や想像の人物の分身が立体で立っているーーそんな感じでしょうか。動くのです、人々が。こういうものが着たいな、あんな服があったらいいな、と空想しているような感じです。
- ――これがデザイン画ですね。人物は描かないのですか。
- そうです。もともとメンズブランドのパタンナーだったこともあって、私は、製図のようにデザイン画を描くことが多いです。この方法は、(私の場合ではありますが、)パタンナーの人にも、縫製工場の人にも伝わりやすいんです。あえてこういう人ということではなく、誰もが自由に着方を決められる、選べる、そんな服作りを目指しています。
- ――着る人が、着方を自分で選べる余地があるということ?
- 私は、お客様一人ひとりがバイヤーさんだと思っているんです。どんなときに、どんなふうに着こなせるかを考えて買ってくださるのだ、と。着るもの、着こなし方だけではなく、もっと言えば、どんな環境で暮らすか、どんなものを肌につけるか、すべてはその人の選択で決まるのではないでしょうか。毎日が、「今がいちばん」と思って生きられるよう、そんな応援をファッションでしていきたいと思っているんです。
- ――「今日がいちばん」、いい言葉ですね!
- 自分を喜ばせることって、毎日を生きていくエネルギーみたいなもの。まだ小さい子どもが2人いる私にとっては、自分優先の時間はほぼゼロでしたが、これじゃいけないなと思い始めたところなんです。
- ――自分のための時間とは、どんな時ですか?
- 今、使っていて「最高に幸せ!」と思えるのは、デルメッド アイクリームを使っているときなんです。年々、目元に力がなくなってきたのが、このクリームをつけ始めてから、肌の奥からハリを感じています。朝晩、目の周りをくるくる。ふだんは子ども優先ですが、「手をかける喜び」を取り戻してからは、この時間だけは私のための時間、と思って確保するようにしています(笑)。
- ※次回の配信は、9月2日。鈴木ゆうみさんがこれからトライしていきたいことをお聞きします。
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鈴木ゆうみさん(すずき・ゆうみ)
デザイナー
2001年文化服装学院卒業後、メンズブランドを経て、独立。2008年より古着をベースとした一点もののリメイクラインをスタート。2011年より、ARIAコレクションラインをスタートさせ、「unusual」をコンセプトに、ベーシックな女性らしさの中にメンズウェアにある機能性を取り入れたリアルクローズを展開。2014年より「YuumiARIA」に改名。TV『プレバト』のリメイク服の審査員としても活躍。アトリエ訪問は要予約(☎03・6411・4494)。
YuumiARIA(ユウミアリア)
Instagram @yuumiaria_official
撮影・黒川ひろみ ヘア&メイク・レイナ 構成と文・越川典子
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Tシャツ「EMBROIDERY FRILL T-SHIRT」、15,400円(税込み)は、2022年春夏のコレクションの中でも人気の高かったシリーズ。左からホワイト×ベージュ、ブラック、ホワイトの3色のうち、いずれか1枚をプレゼントします。胸元には、額縁のようなフリルをつけてニュアンスを出しています。まるで、現代アートを身につけているような気持ちになります。フリーサイズ、色指定はできません。どしどしご応募ください。