【ずっと会いたかった人】ネイルアーティスト・Hana4さんの仕事とは（１/２）

ネイリストではなく、「ネイルアーティスト」という仕事を確立したのが、Hana4（ハナヨ）さんだ。その作品は細密画のように繊細で、美しく、見る者の目をくぎづけにしてはなしません。唯一無二のネイルアートについて聞きたくて、アトリエに伺ってきました。

※今回から2回にわたって、Hana4さんのお話を伺います。Hana4さんが直かに描いたオリジナル手鏡をプレゼントします！

――Hana4さんの作品といえば、レースを描いたネイルが有名です。

ヴィンテージのレースなどが大好きで、コレクションしていたこともありました。ネイルを始めてすぐに描き始めたのもレースです。その後、オリジナル柄として確立したのが「フラワーレース」といって、私の代表的なアートワークになりました。描くデザインが細かければ細かいほど、我を忘れて熱中してしまいます（笑）。

――レースをモチーフにした理由は何でしょう。

レースって、もとは１本の糸ですね。それが編まれることによって小さな円になり、さらに大きな円へとつながっていきます。広がっていく「空間」だけでなく、編む「時間」をも感じさせるのが魅力です。ネイルも同じです。中心から描いていって、どこまでも広がる世界をつなげていく気持ちで描いています。

――デザインはあらかじめ考えるのですか。

いえ。下書きや下絵もなしに、心に浮かんだ模様を描き始めます。15分ほどで一気に描き上げてしまいます。ルーペや虫眼鏡も使いません。黒いベースに白で描くレース、白いベースに白で描くレース、華やかなベースに反対色で描くなど、同じ「フラワーレース」といってもまったく違う表情を見せてくれるのが面白いですね。

――そもそも、ネイルを仕事にしようと思ったきっかけは？

これ、米粒に顔が描かれているお土産品です。子どものころ、父が出張先から買って来たものです。「こんな小さなところに絵が。でも、私のほうがうまく描ける」と思って、実際に米粒にもっと細かく、もっときれいに描いていました（笑）。父はそんな私を、ずっと見ていたのでしょうね。私が大学時代に父が病で倒れ、看病をしていたころ、病床にいながら父は私に「細かい絵は才能。ネイルの世界がよいかもしれないね」と。父が亡くなってから、ネイル学校とインテリア誌で編集アシスタントとの二足のわらじでした。

――アルバイトをしながら学校に行ったのだとか。

父を亡くしたことで、早く手に職をつけなければ、という思いがありました。でも、何より父の「自分にしかできないことをしてほしい」という言葉が、私の背中を押した気がします。NYにも行って知ったのは、日本とは違い、アメリカではネイルは「アート」になっている。日本で「ネイルアーティスト」という職業を確立することが目標になったんです。

――ネイルの美しさ、爪の美しさって、何だと思いますか。

どんな人なのか、メイクよりもヘアスタイルよりも「その人らしさ」を一瞬で知らしめてしまうのではないかと思います。お手入れが行き届いている人、そっけないようだけれど清潔感のある人、ほどこされたネイルも人それぞれ。自分をどう見せたいのか、何を表現したいのか。こんなに小さな世界なのに、たくさんのことを表現できる場所と思っています。

――たしかに指先には目が行きます。

見ているし、見られています。いくらネイルだけがんばっても、手の甲がカサカサしていたり、手がきれいでも、爪まで気持ちが行き届いていなかったり。もったいないです。いいお手入れのものがありますから、水分と油分をたっぷり与えて、マッサージするだけでも違います。

――Hana4さんは何か特別なケアをしていますか。

おすすめは、クリームをたっぷりつけてゴム手袋をして、お湯でお皿洗い。スチーム効果で手指がしっとりします。今気に入っているのは、デルメッド 薬用ハンドクリーム、ネイルケア クリームです。使い心地はさらっとしているのに、しっかり保湿してくれます。手指って、意外と酷使しています。労ってほしいですね。

手あれ・乾燥を防ぐ薬用ハンドクリーム

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●次回の配信は、11月４日。Hana4さんが考えるSDGsな人生とは何なのか、お聞きします。

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撮影・黒川ひろみ　ヘア＆メイク・佐々木育美　構成と文・越川典子