【ずっと会いたかった人】料理家・内山ゆきさんが作るプロダクツ(3/4)
日本の作家や職人の技術をもっと知ってもらいたいーーそんな思いで使い手との橋渡し役として活動する、料理家・空間プロデューサーの内山ゆきさん。食品や器などのプロダクツもその一環だと話してくれました。
※最後に内山ゆきさんプロデュースの食材プレゼントがあります!
- ――リビングには、クリエイターの作品がたくさんあります。
- 日本全国のモノ作りを知れば知るほど奥深くて、実際に使ってみて、その素晴らしさに魅了される毎日です(笑)。この器、見てください。沖縄の工房「木漆工とけし」の作品です。渡慶次弘幸(とけしひろゆき)さんが木地師。奥様の愛(あい)さんが塗師、2人で作る琉球漆器なのですが、どこか懐かしく、持ったときにあたたかく、丸~く手の中にすっぽり納まって……。
- ――この器、内山さんのデザインなのですね。
- はい。雪だるまみたいですよね。日本のモノなのに、北欧ヴィンテージの器とも相性がいい。「これ、どの国の?」と関心をもってくれるとうれしい。話を聞けば、日本の、沖縄の、漆器なんですよ、と。……作品は、物語なんです。
- ――使い勝手がよさそうです。
- お椀としても使えるし、煮ものを盛ったり、菓子鉢にしたり、漬物を盛ったり。一人用の丼にもいいですし、花器にも。色も、どんな場所でも、どんな相手とも組み合わせられるような色に。触り心地、口触りも吟味して作った自慢の作です。
- ――日本のクリエイターに注目する理由は何ですか。
- たとえば「こういうインテリアにしたい」と思っても、イメージ通りに空間を施工してくれる人はどこにいるのか。作りつけのキャビネットは誰に依頼すればいいのか。一般の方は、なかなか作り手につながらない。でも、日本には、素晴らしい作家や職人が大勢います。私は、その両者をつなぎたいと思ったんです。
- ――“橋渡し役”なのですね。
- 職人さんは伝統を守りながらモノ作りをする。作家さんは作りたい作品を作る。一方、私はクライアントがお施主さんだったり、インテリアを替えたい方だったり。その要望に合うような提案ができます。この色を出すには、この人がいますよ。作家や職人さんには、今こんなニーズがありますよ、とそれぞれに提案できる機会があります。
- ――結果的に、伝統的な技術を守ることもできる……。
- そうなんです。現場に出向いて、一緒に考えて、一緒にご飯を楽しんで、夜通し議論することも。楽しくて、何だか“部活動”に近いかもしれませんね(笑)。
- ――保存食も季節ごとに作っていらっしゃいますね。
- とにかく、作ること、食べることが好きで(笑)。どうすればおいしくなるのか、おいしい食材をどうしたらお伝えできるのか、食べ方を含めて提案したいからです。定番にしているのが、切干大根のピクルス。今この季節は、檸檬麹、しらす麹のオイル漬け。冬は、柚子麹、トマトと生姜のマリネなど。
- ――これがあれば、前菜がすぐにできそうです。
- とっても便利です。チーズと盛り合わせたり、お野菜に和えたり。「あってうれしいモノ」をもっていると、家事も苦にならない(笑)。お客様にも、情報をシェアできます。
- ――食材の作り手ともつながりがあるのですね。
- 人から人へ、どんどん広がっていきますし、見たことのないお野菜があったら生産者さんまで訪れることも(笑)。お互い「この人となら」という関係性の中でモノ作りをするのが、満足度の高いものができると思いますね。
- ――作り手とのコミュニケーションを大事にされていることがわかります。
- 私の仕事は、クライアントがいらしてのことも多いので、その方の考え、好みを理解しなければ成り立たないんですね。お施主さんの「好き」と私の「好き」とをシェアしていくと、いい空気感の中で笑顔で仕事ができます。
- ――内山さんの話し言葉と笑顔には説得力があります。
- 言葉は大切で、何かを提案するときは、その背景やストーリーを、言葉を尽くして説明します。よくしゃべり、よく笑うので、唇がわりと乾燥しがちです(笑)。
- ――ケアは何かしていますか。
- デルメッド リップトリートメントは何本か持って、バッグや車の中、洗面所やキッチン、ベッドサイド。いろいろなところに置いて、こまめにつけているんです。口紅はつけませんが、唇はツヤツヤしていたいから。そうそう。私は、歯を磨くときに必ず指を口の中に入れて、ほうれい線をマッサージしています。ほほの厚み、凝りをチェックできるし、噛み癖も気をつけるようになるんですよ。
- ●第4回は、5月20日配信。内山さんが一番大切に思っていることを伺います。
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内山ゆき(うちやま・ゆき)
料理家/空間プロデューサー、「旬香舎」代表
料理教室やケータリングをはじめ、宿、個人宅のインテリア・建築のディレクションを手がける。幼いころから国内外のいろいろな土地を巡る中で、感性を磨く。古いもの、新しいもの、愛らしいもの、ポップなもの……卓越したモノ選びの目、組み合わせのセンスに定評がある。また、職人やアーティストからの信頼も厚く、食や器などのプロデュースも始める。
旬香舎 https://shunkohsha.com/
Instagram @ yuki_shunkohsha
撮影・青木和義 ヘア&メイク・広瀬あつこ 構成と文・越川典子
内山ゆきさんプロデュースのフード「旬香舎からの春の贈り物」(5,400円)を10名様にプレゼント!
檸檬麹、しらす麹オイル漬け、切干大根のピクルスーー旬の食材を瓶詰にして届ける、内山さん自信の味の数々。いつもは予約販売ですぐに売り切れる人気商品です。この春、特別なセット「旬香舎からの春の贈り物」を10名様にプレゼントします(内容は変更になる可能性があります)。和えたり、のせたりするだけで、ぐんと食材が引き立つ調味料としてお楽しみいただけます。料理の幅もぐんと広がること、間違いなしです。