食と空間をプロデュースするという内山ゆきさんのお仕事。どんなお仕事か聞きたくて訪れた内山邸のリビングは、国内外から集められたモノが心地よさげに共存しています。どこか懐かしく、なぜか居心地よく感じるのが不思議で、その秘密を知りたくなりました。
※今回から4回にわたって、内山さんの暮らし方を拝見します。内山さんプロデュースの食材プレゼントも!
- ――リビングのインテリア、無国籍風ですてきです。
- いろいろな国、いろいろな時代のモノたちが同居していますね。ヨーロッパ、北欧、モロッコ、アジア……多い時は1年の3分の1は他の土地に行っているので、長い年月をかけて集まってきたモノばかり。アンティークもあれば、現代のものも。デザインも、クラシックからモダン、ポップなモノまで同じ部屋にいます。もちろん、日本のモノも。
- ――たくさんの国のモノが同居していても居心地がいいのはなぜですか。
- 私が「好き」と思うモノばかりだからでしょうか。選ぶとき、「これ」と思ったら、私は迷うことがないんです。国も時代も関係ない。私好みで共通しているから、同じ部屋、同じテーブル上にあっても違和感がない。相性がいいのでしょうね。
- ――モノを選ぶ目はどのようにしてできたのでしょう。
- 幼いころから国内外旅行に行っていました。そこで見聞きしたもの、教えてもらったものがベースになっていますが、基準は何かと言ったら、「好き」と感じる気持ちとしか言いようがないんです。好きなモノの背景や作る過程の物語を知ることで、さらに自分好みを深めていく――その積み重ねなのでしょうか。
- ――このオールドバカラも、何とも言えず美しいですね。
- 古いから好き、高価だから好きというわけではないんです。その時代でなければ作れなかった微妙なゆらぎのある形、ガラスの薄さ、持ったとき感じる繊細さ、唇に触れたときの感触……全部が好きで、小さな「好き」でも積み重ねていくと、その先にまとまりができてくる気がします。
- ――「好き」という感覚は、どうやって見つければいいでしょう。
- 何でしょう……。しいて言えば、「しっくりくる」というのかしら。目で見て、何かしっくりくる。自分のそばにあって心地よい。ときめく。その感覚が「好き」に近いような気がします。たくさんのモノを見て、感じて、自分はなぜこれがしっくりくるのだろうと問いかけて、共通項に気づくかもしれません。
- ――食空間プロデューサーというお仕事についたきっかけは何でしょう。
- 大学ではもともと「食物学」を専攻したこともあって、料理サロンから始めました。母はクラシカルなサロンを主宰していましたので、私も10代からお懐石はじめひと通り学びました。海外でもいろいろな体験をして、だんだん実現したいことが見えてきたのが35歳ころ。これからの10年、20年何をすべきか考えたら、「食空間」という世界が広がっていたのです。
- ――「食にまつわるすべての世界」ということでしょうか。
- 食は人間の営みの根源的なもの。食材や料理はもちろん、器やナプキン、テーブルクロス、カトラリーなど、コーディネートそのものも、もっと洗練させたい。さらに「空間」としてとらえると、照明や室内のインテリア、もっと言えば建築まで関係していることが見えてきた。それをトータルでコーディネートしたくなったのです。
- ――だから、様々なジャンルのクリエイターとつき合いが多いのですね。
- 新旧、国内外を問わず、1年を通してモノはものすごくたくさん見ています。そして、知りたがりです(笑)。モノ作りの職人さんやクリエイターの話や考え方を聞きたい。創作の現場を見たい。だから一緒にご飯を食べて、山ほど話り合います。分かり合えるのに、テーブルを囲むことほど近道なことはありません。何より、楽しいです。
- ――お料理するからでしょうか。内山さんはネイルもしないし、ほとんどノーメイクです。
- メイクやネイルは、月に1,2度くらいでしょうか。基本ノーメイクで、素顔でいるのが好きですね。でもね、何もしないからこそ、肌はきれいでいたいなとは思うんですよ。ちゃんと年齢肌のことを考えてくれる、効果のあるもので維持したい。
- ――朝晩のスキンケアはどんなふうになさっていますか。
- 今愛用しているのは、デルメッド プレミアムシリーズの、ローション、エッセンスを朝晩使います。そして、朝はそのあとにUVベイスをつける。これが日課です。ファンデーションをつけないので、UVケアは必ず。これは、しっとりして1日中乾燥しないところが優秀です。
- ●第2回は、5月6日配信。内山さんの初夏のおもてなしを見せていただきます。
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内山ゆき(うちやま・ゆき)
料理家/空間プロデューサー、「旬香舎」代表
料理教室やケータリングをはじめ、宿、個人宅のインテリア・建築のディレクションを手がける。幼いころから国内外のいろいろな土地を巡る中で、感性を磨く。古いもの、新しいもの、愛らしいもの、ポップなもの……卓越したモノ選びの目、組み合わせのセンスに定評がある。また、職人やアーティストからの信頼も厚く、食や器などのプロデュースも始める。
旬香舎 https://shunkohsha.com/
Instagram @ yuki_shunkohsha
撮影・青木和義 ヘア&メイク・広瀬あつこ 構成と文・越川典子
内山ゆきさんプロデュースのフード「旬香舎からの春の贈り物」(5,400円)を10名様にプレゼント!
檸檬麹、しらす麹オイル漬け、切干大根のピクルスーー旬の食材を瓶詰にして届ける、内山さん自信の味の数々。いつもは予約販売ですぐに売り切れる人気商品です。この春、特別なセット「旬香舎からの春の贈り物」を10名様にプレゼントします(内容は変更になる可能性があります)。和えたり、のせたりするだけで、ぐんと食材が引き立つ調味料としてお楽しみいただけます。料理の幅もぐんと広がること、間違いなしです。