できれば大好きなお茶を飲んで、一日中ゆったり過ごしていたい。日本でも大好きな台湾でも”喫茶”LOVEな暮らしを楽しむ料理研究家・内田真美さんに、極私的「お茶の時間」を聞いてきました。
- お茶が好きで、茶会のコーディネートもなさっていますね。
- よいお茶を知る友人たちとのイベントは楽しく、新たな発見もたくさん。お酒を飲めないこともあって、「お茶の時間」は私にとってなくてはならないもの。原点は……そう、図書館で読んだ『食在台湾』という本でした。柴田書店から、ワールド・クッキングシリーズの一冊なのですが、直感的に「この場所、好きだ」と。ちょうどその頃、「凍頂烏龍茶」と初めて出合っていまして。発酵が浅くて、色も透明で美しく、豊かでかぐわしい香りが口に残る、台湾を代表するお茶です。あ、こんなにおいしいお茶があるのかと思っていたところでもありました。もう20年、台湾に通っていますが、まだまだ皆さんに伝えたい魅力がたくさんあるんです。
- 年季の入ったお茶好きですね。今朝の「お茶の時間」はどんなふうに過ごされましたか?
- 一日中お茶を飲んで生きていたい。気ままに旅行。それが理想です(笑)。毎朝、娘に「いってらっしゃい」してから、おもむろにお茶の準備をします。今日は阿里山高山茶(ありさんこうざんちゃ)というウーロン茶にしましょうか。かれこれ20年、台湾に通うようになって、お茶の楽しみ方はぐんと深まりました。功夫式(くんふうしき)といって、独特のお茶の淹れ方を覚えたり、たくさんのお茶を飲み比べたりして、だんだん自分好みを知るようになりました。今朝は、甘いお菓子と一緒に。お茶の香りの中で、ゆったりした時間が流れ始めます。
- お茶の魅力と、今お気に入りのお茶を教えてください。
- 何より「香り」が魅力です。花のような香り、ミルキーな香り、草原のような香り、落ち葉の森のような香り。好きなのは、中国の鳳凰單欉(ほうおうたんそう)というウーロン茶です。一煎、二煎どころか、十煎でも香りの変化を楽しめます。匂いに敏感なので、お茶だけでなく、食材や料理も香りのあるものが好きなのかもしれませんね。自転車の後ろにのせていた娘も「ママ、目玉焼きの白身が焼ける匂いがするね」なんて言うので、驚いたり、笑ったり。親子って似るんですね。料理好きです。
- 自分が心地よくいるためにしていること、ありますか?
- やっぱりお茶です(笑)。“喫茶”好きなんですね。子どもを迎えに行っても、帰りに「お茶飲んで帰らない?」と誘うくらい好き。いつも行くカフェがあって、友人に言わせれば、「真美さんは、自宅にいるか、このお店にいるかどちらか。すぐ居場所がわかる」って言われます(笑)。お茶を飲むとき、最近気になるのが、唇のかさつき。味や香りが変わるのがイヤなので、ふだんは口紅もつけないのですが、リップケアを始めたんです。デルメッドのリップトリートメントは、唇がふっくらしてタテジワが気にならなくなると聞いています。オレンジ系のほのかな香りがほっとさせてくれて、しばらくすると消えていく。頼もしいのに、奥ゆかしい。そんなところが好みですね。
●第3回は、20回以上、内田さんが訪れている「台湾の魅力」についてお伝えします。
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内田真美(うちだ・まみ)
料理研究家
長崎県生まれ。夫と娘の3人家族。雑誌や書籍、広告などで活躍。20年以上台湾に通い、自分で確かめた味、確かめた場所をガイドする『私的台湾食記帖』『私的台北好味帖』が好評。他にも『最後にうれしいお菓子たち』『洋風料理 私のルール』など。今年、新刊刊行予定。
Instagram @muccida
撮影・青木和義 ヘア&メイク・広瀬あつこ 構成と文・越川典子