モデル・優恵の笑顔日記「明日も笑う所存です。」
ESSAY vol.30
【モデル・優恵の笑顔日記『明日も笑う所存です。』】Vol.30「紫色の水玉の部屋で思い巡らすことのいくつかを。」
原宿という街の想い出とペンダント。
1980年代、原宿にはアンティークショップがいくつもありました。バラのペンダントは裏道にあった小さなお店で見付けたものです。娘の頃のわたしはいつも「なにか良いもの」を探していました。持っているだけで、見ているだけでとろんとした心持ちになる大人の可愛いものが、今もわたしの日々の暮らしに喜びを与えてくれます。同じものに巡り会う機会は恐らく二度と無い、そう思ってお店の扉を開ける時のドキドキする感じを久しく味わっていません。
上手く転がれた日のこと。
ピンク色のパンツが欲しいと思いながら数ヶ月が経っていました。或る日、お世話になったフォトグラファーの方の写真展を訪れて、その会場の1階のお店で友へのお誕生日の贈り物を包んで頂きながら、目に入ったピンク色のパンツに「あぁ、これは丁度良い」としっくり来たのです。色が濃過ぎず薄過ぎず、洗濯機で洗えて、お値段がお手頃でした。見たかった異国の写真展→友にお似合いの贈り物→欲しかったピンク色のパンツ。上手く転がれる日もあるものです。
ピンク色の幸せ。
仕事帰りに思い立って友に会いに行くことがあります。その日は約束もしていなかったのにわたしの前に「誕生日プレゼント」と言って友が差し出してくれたのがこのバッグでした。なんとわたし好みの愛らしいものを!と感激したのはもちろんですが、会えていなかった間も気に掛けてくれていたことに帰りの電車の中で幸せな心持ちになりました。まるでこのバッグのピンク色のように、素敵に優しく楽しくわたしに染み込む友の心遣いでした。
小さなデルメッド。
日々使うものはサイズが違うと嬉しくて「小さいのもあると良い」と欲しくなります。「どこかへ行く時にね」と理由がありますから。そしてきっと「大きいのもあると良いのに」と思うことがあるのだろうなと思います。「家族で使うのだから」と。好きなものは大きいのも小さいのも使い道があるものです。プレミアム ミニセットは詰め替える手間と無駄が省けて好みのセットです。何より可愛いではありませんか!
文と写真・優恵
優恵
ゆえ
モデル・俳優。ティーン誌『mc Sister』の専属として活動を始め、カバーモデルをつとめる。『non-no』『SO-EN』など多くの女性誌、TVコマーシャル、ファッションショーなどで活躍。20代後半からは映画、ドラマに出演し、活動の場を広げる。近年の出演作品に、美玖空トライアル公演「女は女で、女である」(2021・美玖空 脚本/演出)、『秘密のフレグランス』(2021・富田大智 監督)、『Motherhood』(2019・萬野達郎 監督)、『しあわせだったにゃよ』(2019・利重剛 監督)、『午後の悪魔』(2017・中村真夕 監督)、『アイズ』(2015・福田陽平 監督)、『PASSION』(2008・濱口竜介 監督)、インスタシネマ『女図鑑』(2019・美玖空 脚本)などがある。ドラマとファッションとおいしいものと花をこよなく愛する。フォトエッセイ『昼寝の前に』を連載中。https://6ropeway6.com/
撮影・青木和義