【メンテナンスごはん】白桃のマスカルポーネサンド フルーツサンドで、旬の桃を贅沢に味わう。
夏のフルーツサンドなら、桃が一番好きです。
ふわりとバラの香りを感じ、噛めばじゅわりと果汁が溢れる桃の果肉に、クリーム、薄切り食パンの組み合わせは、まるで息の合った三重奏のよう。
舌に甘い余韻を残すおいしさです。
だけど、夏のサンドの難点は生クリーム。
気温が高いと分離や溶けが起きやすく扱いにくいんです。
泡立てに氷水を用意しないといけないし、盛夏に生クリームを泡立てるのは案外手間。
ぜひ、マスカルポーネを使ってみてください。
泡立ていらずで、そのままパンに塗れるし、何度なぞっても分離の心配なし。
ミルキーな味わいは桃との相性が抜群です。
マスカルポーネなら、余ってもサラダやパスタに混ぜたり、食事系パンにスプレッドとして塗ってもおいしいですよ。
食材はこちらです。
材料(4切れ分)
角食パン(6枚切り) | 4枚 |
桃(中くらいのサイズ) | 1個 |
マスカルポーネ | 80g |
砂糖 | 大さじ1 |
レモン果汁 | 大さじ1 |
◎今回は粗糖を使用。砂糖はお好みで。
●さあ、作ってみましょう(調理時間:20分)。
1 マスカルポーネと砂糖をよく混ぜる。
2 パンの耳を切り落とす。
3 1の1/3量を2枚のパンの片面にナイフで均一に塗る。
桃の果汁が生地に浸みないように、パンの端まで塗るのがコツ。
4 桃の皮をむき、まな板にへた側を下にして置く。
中心の種部分を避けるように包丁で切る。
「包丁で果肉を切り落としたら、桃を手前に8分の1ほど回転させて切り落とす」を繰り返すと、均一なくし形に切れる。
5 桃を回転させながら一周して切り分けたところ。
6 最初の1切れは丸いので、くし形に切り分ける。
7 レモン果汁をふりかけてまぶす。
8 マスカルポーネを塗った食パン2枚を縦長になるようにまな板に置く。
まず桃を写真にように横一列に並べて置き、上下の空いた隙間にも桃をのせる(画像左のパン)。桃の上に1(マスカルポーネ)の残りを塗る。
9 残りのパン2枚をかぶせて、手で軽く抑える(画像)。
ラップできっちり包んで、冷蔵庫で30分冷やす。
*すぐ食べない場合は、ラップに包んだまま冷蔵保存。翌日までおいしく召し上がれます。
10 ラップを外し、縦長になるようにまな板に置いた場合、包丁で水平方向に半分に切る(画像)と桃の断面がきれいな切り口になる。
11 切り口を上にして器に盛り付ける。
●始末のいいおまけレシピ
余ったパンの耳は揚げずに焼いてカロリーダウン。
カレー味のラスクは、手が止まらないおいしさ。
ボウルに4枚分のパンの耳を入れ、オリーブ油大さじ2、カレー粉小さじ1/2、クミン小さじ1/3をふりかけ、よくまぶす。完全に水分が抜けるまで140℃のオーブンで20分程度焼く。塩少々をふる。
ちょっとひと言
中国では古来より桃は、桃源郷の不老不死の仙果だと考えられていました。
桃は果実だけではなく、つぼみや種、葉にも身体にいいとされる成分が豊富に含まれていて、漢方薬として重用されてきた歴史もあるほど有用な植物。
果肉は食物繊維のペクチンを多く含むため、コレステロール値を下げたり、腸を整える効果が期待できます。
さらに、クエン酸やカテキン、タンニン、イノシトールなどの有効成分も含んでいます。
かわいくておいしいだけじゃないのが、桃なんです。
福田 里香(ふくだ・りか)
お菓子&料理研究家
1962年生まれ。武蔵野美術大学卒業。果物の専門店・新宿高野に勤めたのち、独立。漫画への造詣が深く、作品に登場するフード(食べ物)表現を考察した『ゴロツキはいつも食卓を襲う フード理論とステレオタイプフード50』(太田出版)は注目を集めた。フルーツを使った独創的なスイーツや料理にも定評があり、雑誌でフードコラムを担当するほか、『新しいサラダ』(KADOKAWA)、『いちじく好きのためのレシピ』(文化出版局)など著書多数。民芸にも詳しく『民芸お菓子』(エイ出版)がある。
Instagram @riccafukuda
撮影・青木和義
料理作成、写真と文・福田里香