【メンテナンスごはん】柿と生ハムのサラダ 深まる秋味を副菜に
こんにちは。すっかり秋ですね。
菓子研究家の福田里香です。
連載2回目は『柿と生ハムのサラダ』を作ります。
サラダといっても、生ハムとチーズに合わせますから、オードブルやお酒の肴にもぴったり。
この季節だけの組み合わせを楽しむ一品です。
籠には、2種類の柿が山盛り。
安かったので……思わず両方買ってしまいました。
左の四角いほうは、平核無(ひらたねなし)柿。
その名のとおり種がなく、さっぱりした甘さが特徴。
右の小さいほうは岐阜甘柿。種有りのねっとり甘い柿です。
さあ、作ってみましょう。まず、材料から。
柿の種類はなんでも大丈夫。
かなり柿たっぷりめで、2人分の材料です。
柿 | 3個 |
エクストラバージンオリーブ油 | 大さじ2 |
ナチュラルチーズの薄切り(今回はペコリーノを使用) | 12枚程度 |
生ハム | 4枚 |
黒こしょう | 適宜 |
酢橘(すだち) | 1/2個 |
まず、柿の皮を剥きます。
わたしは丸むきするタイプですが、やりやすい方法で剥いてください。
丸むきした種なしの平核無柿を切り分けるなら、この方法がおすすめ。
まず、柿のへたを持って、芯からギリギリのところを切り落とす。
そこを起点に15度ほど回転させては、切り落とす、を繰り返します。
こんな感じでくし形に切り落とせます。
種が無いからへたの真下も果肉です。
最後はへたを切り落として完了。
種有りの岐阜甘柿は4つ切りにして、へたを切り落とし、刃先で種を取り除きます。
さらに半分に切って、食べやすい大きさにしてください。
皿に盛り付けたら、オリーブ油をそれぞれに大さじ1ずつ、回しかけます。
バル風に小さめの皿に、盛り盛りにするとおいしそう。
柿は懐が深い果物です。
ナチュラルチーズはお好みのもので、なんでも合う。
ペコリーノは、スライサーで削ると簡単。
パルミジャーノやチェダーなど固いチーズはこの方法で削ってください。
ブルーチーズやシェーブルなど柔らかいチーズは手でほぐして散らします。
お皿に生ハムをふわっとのせたら、黒こしょうを挽きかけて、酢橘の皮をすりおろします。
代わりにまだ青い柚子やレモンでもいい。
柑橘も懐が深い果物です。
手に入る柑橘でおいしくできます。
繊細に薄く削れるMicroplane社のグレーターは手放せません。
酢橘のスライスを添えたら、できあがり。
たっぷり絞りながらいただきます。
ささっと作れて簡単なのに、誰もが感嘆するおいしさです。
ごちそうさまでした!
ちょっとひと言
柿には、疲労回復、かぜの予防、ガン予防、老化防止に効果があるといわれる成分がたっぷり。
まず、柿1個で一日の必要量をほぼまかなえるほど、ビタミンCを多く含んでいるそう。
ビタミンAも豊富。
どの品種にもペクチン、βカロテン、リコピンなどのカロテノイドが多く含まれています。
それから、生ハムとチーズは健康によいと云われている発酵食品です。
東京の庭木でも、たまに柿の木を見かけます。
散歩の途中で撮影した近所の公園の柿の木。
まだまだ、青いです。
おしりが尖っているから、きっとたぶん、これは筆柿かな。
福田 里香(ふくだ・りか)
お菓子&料理研究家
1962年生まれ。武蔵野美術大学卒業。果物の専門店・新宿高野に勤めたのち、独立。漫画への造詣が深く、作品に登場するフード(食べ物)表現を考察した『ゴロツキはいつも食卓を襲う フード理論とステレオタイプフード50』(太田出版)は注目を集めた。フルーツを使った独創的なスイーツや料理にも定評があり、雑誌でフードコラムを担当するほか、『新しいサラダ』(KADOKAWA)、『いちじく好きのためのレシピ』(文化出版局)など著書多数。民芸にも詳しく『民芸お菓子』(エイ出版)がある。
Instagram @riccafukuda
撮影・青木和義
料理作成、写真と文・福田里香