【ずっと会いたかった人】白崎裕子さんの料理教室の予約がとれない理由(1/2)

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2021.9.16

小麦粉や卵、バターを使わないおやつ。豆乳ヨーグルトや甘酒など発酵食を使った料理も。カラダによくて、食べ心地も軽い、しかもおいしい。そんな植物由来のレシピが大人気の料理教室「白崎茶会」は、予約がとれない教室として有名です。主宰する料理研究家・白崎裕子さんに会いに、神奈川県・葉山に行ってきました。

※今回から2回にわたって、白崎裕子さんのお話を伺います。愛用の「山本電気のフードプロセッサー」のプレゼントも!

――オーガニックに目覚めたきっかけは、食で体質改善したことだと聞きました。
20代前半のころ、仕事が忙しくて体調を崩して、カラダ中に湿疹ができてしまったんです。ステロイド剤が手放せない。よくなったと思ったら、またかゆくなって、のくり返し。ある日、『砂糖病――甘い麻薬の正体』(ウイリアム・ダフティ著)という本に出合って、白砂糖を一切やめたんです。添加物や加工品もやめて、塩、醤油、味噌、お酢、なたね油……と調味料を揃えて、自分でご飯を炊いて、おかずを作って。すると、かゆみがなくなり、肌もみるみるきれいになって驚きました。
――食事を替えるのは、つらくなかったのでしょうか。
いえ。かゆみがなくなるのが、幸せで、うれしくて。考えてみたら、子どものころ食べていた食事に戻っていたんですね。ちょうど自然食ブームもあって、玄米食やマクロビオティックを学んだり、次から次へと参考文献を読んだり。
――どんな本ですか。
食物学、環境学、医学や歯学……どれも面白くて。結婚後、一時期、北陸に住んでいたことがあるのですが、義理の父が肝臓や腎臓を悪くして余命わずかと言われていたのですが、食事をがらっと替えたら、どんどんよくなったんですね。いしるや麹漬けなどの発酵食品、旬の野菜や魚。やはり食事なんだと、納得できた体験でした。今も、カラダにいい食事とは何か、ずっと考えています。
――ここ、神奈川県・葉山に「白崎茶会」を開いて15年ですね。
早いですね。昨年から対面の料理教室ができなくなって、今は、毎週土曜日に、オンラインで「白崎裕子のレシピ研究室」を生配信しています。
最初は3人だった生徒が、3カ月後には100人を超え、どんどん人気の料理教室になっていった。
すぐ目の前が海岸というロケーションに「白崎茶会」はある。波の音がBGM。
――今日は、豆乳のパンナコッタを作ってくださいました。
パンナコッタには忘れられない思い出があります。20年前くらいのことですが、紅茶店を経営していて、地粉や自家製豆乳を使ったノンシュガーのお菓子も販売していました。「豆乳パンナコッタ」も作っていたのですが、自家製豆乳のクセを和らげるために無添加の「純正生クリーム」を少し加えていたんですね。そんなある日、手にとってくれた親子が「生クリームが入っている」と知り、がっかりして帰っていってしまった。その子は乳製品のアレルギーがあったんです。キラキラしていた瞳が一瞬で曇ってしまいました。その後ろ姿が忘れられなくて。
――レシピを見直したのですね。
自分はすごくいいものを販売していると思っていたので、それが小さな子を傷つけてしまったことにショックを受けました。こうちゃんという男の子だったのですが、次にあの子が来たときのためにと、毎日試作して、100%植物性のパンナコッタを完成させました。おいしかったと喜んでくれた顔は、今も覚えています。私の原点ですね。
――乳製品がゼロでも、しっかりコクがあります。
でしょう? 豆乳は優秀な食材です。白崎茶会では、栄養はもちろん、コクやとろみなどいろいろなレシピで登場しているんです。今、アレルギーで卵を食べられない子どもは3分の1。小麦や牛乳がダメな子たちもたくさん。お店にはおいしそうなケーキがいっぱいあるけれど、ひとつも食べられるものがない。「食べたいけれど、食べられない」「皆が食べているプリンやケーキを一度も食べたことがない」という子たちにとっては、この世の中は受け入れがたいものですよね。アレルギー対応のケーキもあったのですが、バターは使っていないけれど、アレルギー用のマーガリンや、ショートニングが使われていたりして、これはトランス脂肪酸で、決してカラダにいいものとは言えません。今は昔よりだいぶよくなってきていると感じますが。
――カラダによくて、かつおいしくなければ。
そうなんです。カラダにもいい、おいしい、のが当たり前で、かつ目で見て「かわいい!」という要素もお菓子には必要。カラダにいいものは、かわいくない。食感も悪い。そんなイメージもなくしたかったんです。
「オーガニックって何だ?」という親戚のおじさんも「おいしい」と感じるレシピが、白崎さんの理想。
――新しいレシピを完成させるには、大変なエネルギーがいりますね。
特にまだ「この世にないもの」を作ろうとしているときは大変です(笑)。たとえば、昔ココナッツオイルでチョコレートを作ったときは、まずオイルと水分を乳化させる方法をいくつも見つけてから、一番失敗のない方法にしぼり、そこからチョコレートのレシピをつくり始めました。豆乳パンナコッタもいくつもレシピがあって、今日は、型抜きしやすい固めの生地ですが、ココナッツクリームを使っているので、口の中でオイル分がふわっと溶けてやわらかい食感になります。甘酒を使う場合は、全く違う方法ででおいしくさせます。
――面白いですね。白崎さんのレシピには、必ず理由があります。
塩を先に入れるか、後から入れるかで、野菜の煮くずれ方も変わります。水を高いところから注ぐと、アクが浮きやすいとか。野菜のコクを出すには、冷水で煮るとか。おいしくつくるにはコツがあって、いつもそれを見つけたいと思っているんです。
型抜きしやすい、しっかりめのレシピで作った「豆乳パンナコッタ」。旬のりんごを煮て、添えました。※レシピは、記事最後にあります。
――白崎さんのアタマの中には、たくさんの新しいレシピがあるんでしょうね。
完成途中のレシピはたくさん。あっ!とひらめいたら、すぐに試してみたり、丸1日たつと違う方法を思いついたり。材料の分量を2gずつかえて作って、その過程が全部アタマの中にあるので、他のことが入ってこない(笑)。レシピで煮詰まると、突然、髪を丸坊主にしたくなるんです。2年に1回くらいかな、自分でベリーショートにしちゃいます。
――自分で、ですか???
はい(笑)。リセットというか、ゼロにするという感覚ですね。あと一歩でできるのに、というレシピをいくつも抱えていると、状況を打開したくて。髪をばっさり切ると、「もう、いいか」と、こだわっていた視点から離れられる。ゼロからすすんでいくしかないと思うのでしょうか、新しいレシピが浮かんできたり、前に捨てた方法でぱっと完成したりしますね。
――不思議ですね。たしかに、髪を切るとすっきりします。
気持ちにすごく影響していると思いますよ。触れた感じも大切なので、短いけれど、適度なケアはしています(笑)。使っているのは、デルメッド ヘアオイル。べたべたしないで、保湿もできて、ワックス代わりにも。疲れて、シャンプーしないで寝落ちしても、ごわごわしないし、髪はしっとりしたまま。香りがほとんどないのも、私にとってはありがたいです。
「髪も、食事の影響はあると思います」と話す白崎さんだが、ツヤは外からも補いたい。手にしているのが、デルメッド ヘアオイル。
商品

洗い流さないトリートメント

ヘアオイル

【商品番号】340【容量】100mL (約1.5~2ヶ月分)

通常価格3,520円(本体価格 3,200円)

公式サイトで購入

豆乳パンナコッタ】
材料(カップ6個分)
A〔水50g 粉寒天小さじ1(2g)〕
B〔豆乳350g コーンスターチ10g 塩ひとつまみ〕
ココナッツクリーム200g アガベシロップ(またははちみつ)大さじ4 ラム酒小さじ2
作り方
① 鍋にAを入れて木べらでよく混ぜ、5分ほどおく。
② Bを加えて中火にかけて混ぜ、沸騰したら弱火で3分加熱する(絶えず混ぜ続けること)。
③ 弱火にかけたまま、ココナッツクリームを少しずつ入れて混ぜ、なめらかな状態になったらラム酒を加え、ひと煮立ちさせて火を止め、アガベシロップを加えて混ぜる。
④ カップに流し込み、粗熱を取って冷蔵庫で冷やし固める。
⑤ カップからはずして器に盛り、煮りんごを添える。

真っ赤な煮りんご】
材料(作りやすい分量)
紅玉1個
A〔アガベシロップ(またははちみつ)大さじ2 レモン汁小さじ1〕
作り方
① りんごは1cmくらいにカットして鍋に入れ、Aを加えて混ぜ、水分が出てくるまで15分くらい置く。
② 弱火にかけて、沸騰したら2分ほど加熱し、火を止める。
③ すぐに平皿やバットなどにあけ、冷たい空気にさらして冷ます。

●第2回は、10月7日配信。白崎裕子さんが「今、この時代だからこそ伝えたいこと」をお聞きします。

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白崎裕子さん(しらさき・ひろこ)
料理研究家、オーガニック料理教室「白崎茶会」主宰

神奈川県逗子市の自然食品店「陰陽洞」が主宰する料理教室講師を経て、葉山町の海辺の古民家で料理教室を始める。全国から参加者が訪れ、予約のとれない料理教室として知られているが、現在は、対面の教室を避け、オンライン料理教室「白崎裕子のレシピ研究室」を開催。毎週土曜日21:00~動画を配信、人気となっている。著書『白崎茶会のあたらしいおやつ』『へたおやつ』(ともにマガジンハウス)は2年連続で料理レシピ本大賞・お菓子部門の大賞を受賞。新刊に『白崎茶会の発酵定食』がある。

白崎茶会 http://shirasakifukurou.jp
Instagram @shirasakichakai

撮影・青木和義 ヘア&メイク・レイナ 構成と文・越川典子

白崎さん愛用、山本電気の「フードプロセッサー YE-MM41(21,450円」を2名様にプレゼント!

白崎さんが愛用しているフードプロセッサーがこれ、山本電気の「フードプロセッサー」です。高性能モーターで、ハイスピードでも低速でもパワフル。刻む・砕く・おろす・する・こねる・混ぜる・泡立てる・ひく、が自在にできます。「アイスクリームが1分でできるので、この夏は毎日のように作りました。他にも、ナッツペーストなども早く、簡単にできます」と白崎さん。もう一つ、白崎さんが評価するのが、ステンレスボウルだということ。冷めにくく、溶けにくいので、温・冷・液体・氷もOK。「ボウルが別売りしているので、2つ持っていれば、同時に調理ができます。洗いやすいのもいいですね」(白崎さん)。日本製。どしどしご応募ください!
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