【ずっと会いたかった人】ナオランジェリー栗原菜緒さんが起業した理由(2/4)
大学時代に目指したのは外交官。留学中に日本の文化を世界に伝えたいと思ったからだという栗原さんだが、「非常勤公務員として勤務した外務省は、自分がいるところではないとわかった」と言います。では、何が? と自問したとき、心に浮かんできたのが「自分を支えてくれたランジェリー」でした。
※最後に栗原菜緒さんデザインした「ランジェリーギフトカード」のプレゼントがあります!
- ――既存のランジェリーとの違いはどこにあったのでしょう。
- ブラジャーやガードルって、女性にとって「苦しい」ものだったのではないでしょうか。着ける目的は、スタイルをよく見せること。でも、家に帰ったらすぐに脱ぎたくなる下着って、本当に女性のためになっているのだろうか。ラクな下着はおしゃれではない。美しいインポートものは肌に合わなかったり、耐久性がなかったり。
- ――ほしいものがなければ、作ろう、と思ったのですね。
- そうです。補正下着の仕事をしながら作りたいものを明確にし、マーケティングの仕事でビジネスを学び、資金作りも。デザインを学ぶために、ミラノにも行ったのですが、「したいことが見えているのに、なぜ遠回りするの」という声に背中を押され、それもそうだ、と(笑)。
- ――作りたいブラジャーは、どんな条件だったのですか。
- パットを入れない。大きく見せる必要はないから。谷間も作らない。人の目を意識する必要はないから。ノンワイヤーを強化していますが、着け心地のよいワイヤーものもたくさん作っています。締めつけないため。肌に触れる部分はオーガニックコットン。日本産の生地、日本の技術にこだわり、美しく、かつ最高の着け心地でカラダも心も守ってくれる……それが目標でした。
- ――美しさと心地よさとが両立できたら、最高です。
- 今も、「おっぱいは大きいほうがいい」という神話に、女性たちはからめとられていると思います。“谷間“って強迫観念です。小さくたって大きくたって自分の大切なバスト、大事にしようよ、というのが私のメッセージでもあるんです。
- ――社会貢献もしていますね。
- はい。日本の技術を守り、文化を世界に発信したいという思いと、子どもたちの支援が、起業の大きな柱でした。その一環として、児童養護施設の子どもたちへファーストブラをプレゼントしています。実は、施設では、ブラジャーが必要になっても買うことができずに、何年もぼろぼろになったブラをつけている例もあるそうです。スタートはできるだけ良質のブラをつけてもらいたいから。
- ――ブラジャーの名前は「Cotton」ですね。
- オーガニックコットン100%です。やさしい着け心地です。あなたを大切に思っている人がいることを伝えたいし、この体験がこの先の人生で小さな支えになることもあるかもしれない、という思いで。
- ――ここ、銀座サロンに飾ってあるパープルのブラは、思い出の品ですか。
- あ、これは初めてデザインしたサンプルです。色気の中に可憐なかわいらしさも同居している……当時は、そんな女性になりたかったのかもしれませんね。今はもっとパワフルな女性でありたいと思いますが(笑)。実はこれ、名前もなく、未完成なんです。
- ――製品化しなかった?
- レースの試作やサンプルを作ってくださる職人さんを探すのが、本当に大変でした。今も、デザインはできても、生産にアタマを悩ませることが多いんです。最初のデザインを飾っているのは、出来上がってきたときの高揚感を今も覚えていて、その気持ちを忘れたくないからなんです。
- ――仕事を通して、いちばんうれしいことは何ですか。
- お客様との交流ですね。ナオランジェリーの下着を見ていると、温かい気持ちになりますとおっしゃったお客様。ずっと小さいバストに悩んでいたけれど、ナオランジェリーをつけるようになって、自信がもてたというお客様。妻との記念日に、ナオランジェリーを買いに来てくださった男性も。お一人お一人の言葉に、私も励まされています。
- ――栗原さん自身も、仕事を通して自分肯定感を高めてきました。
- 自分で自分を愛することが、すべての基本。誰かを愛し、愛される関係になるのも、まず自分を肯定できるということがベースですよね。ランジェリーがそのためのツールになってくれればうれしい。
- ――自分を励ますツールは多いほうがいいですものね。
- ランジェリーと同じ効果があると思うのが、香水やスキンケアです。「今日の肌、何だかいい感じ」と思えるだけで、1日気分がいいじゃないですか。その基本は私、クレンジングだと思っていて、大事にしています。なぜなら、清潔なオーラが女性には必要だと思っているからです。メイクオフして、自分の基本に立ち返る。次のスキンケアのベースにもなる。この、デルメッド バーム クレンジングは力を入れずにふっと落とせるところがすごい。
- ●第3回は、6月10日配信。栗原さんが、日本製ランジェリーにこだわる理由を聞きました。
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栗原菜緒さん(くりはら・なお)
「ナオランジェリー(NAO LINGERIE)」デザイナー、オーナー
「女性の尊厳を守る」をコンセプトに、国産の生地、国内での縫製にこだわった日本製ランジェリーを作るべく29歳で起業。2013年、立ち上げと同時に、上海ファッションウィークでブランドをデビューさせる。TV『ガイアの夜明け』『セブンルール』などに登場し、注目を集める。日本橋髙島屋では個人デザイナーとしては異例の常設コーナーをもち、三越伊勢丹、銀座松屋などでもPOPUPショップを定期的に開催。2021年、YouTube番組『今なお考え中』をスタート、もっと自由な生き方、人間の尊厳について、毎回ゲストを招いて議論を重ねている。
ナオランジェリー https://naolingerie.com/
Instagram @naokurihara.naolingerie
ブログ https://ameblo.jp/eplga-nao/
YouTube https://www.youtube.com/channel/UCrOH9KdauS0SN4R7K4rr04A
撮影・黒川ひろみ ヘア&メイク・レイナ 構成と文・越川典子
栗原菜緒さんデザイン、ナオランジェリーの「ギフトカード」(25,000円)を2名様にプレゼント!
美しいレースと着け心地のよいゴージャスな、栗原菜緒さんデザインのランジェリーが購入できます。25,000円のギフトカードで、ぜひブラジャーとショーツ(あるいはタンガ)のセットを!!もちろん、ショーツを2枚、という組み合わせでもよいですね。銀座のサロンにおいでいただければ、デザイナー栗原さん自身がフィッティングし、ぴったりのランジェリーを提案します。もしおいでいただけない場合も、オンラインでのコンサルティングにも対応しています。ご自分へのプレゼントとして、あるいはどなたか大切な人への贈り物にしても。注意点は下記です。●ナオランジェリー銀座サロンのみで使用可能です。●銀座サロンは完全予約制です(連絡先はギフトカードに掲載)。●有効期限はありません。●現金との引き換えはできませんが、残金は次回のお買い物にお使いいただけます。