【ずっと会いたかった人】料理家・サルボ恭子さんの愛用する道具たち(3/4)

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2021.1.7

サルボ恭子さんの作る料理はどれも、洗練されているのにどこかあたたかみがあります。ふだんどんな道具を使い、どんな器を使っているのでしょうか。

―――家庭料理でいちばん大事にしていることは何ですか。
家族で食卓を囲む時間です。よくスープを出しますね。湯気の立った、温かい一品があると、ほっとしますので。いちばん作るのは、いろいろな野菜を煮て、塩だけで味をつけるスープ。とがった味ではのどを通りません。気持ちやカラダが弱っていても、すっと入るもの。これがおいしさの基本かもしれませんね。
――すごくシンプルですね。
おいしい塩だけで充分味は引き出せます。あればベーコンやソーセージ、余っている昆布やチーズを入れてもおいしいです。家族の体調が悪そうなら煮くずれさせてポタージュにします。
――今日のスープは?
玉ねぎとナッツのスープです。くるみとアーモンドを入れました。腹もちもいいし、食べ応えもあります。
ナッツの食感が楽しく、噛み応えもある。これにパンがあれば、立派な朝食。
――器など「サルボさん好み」を教えてください。
職人の手で作り出されたもの、自然界にあるもの、緑、山、動物にとても引かれます。そして、それらのミックススタイルも心地いいですね。
――共通項は何でしょう?
大自然の中で育ったから、おのずと自然への敬愛があります。それと、今の家族がミックススタイルだからでしょうか。フランスと日本の文化のミックス。国籍、肌の色の違い。義理の子、義理の母。何でもありです。ひとつのカテゴリーや縛りに囚われず、心地いいかどうか。不思議とバランスがよく、まとまっています。
――サルボさんのレシピでは、フランス料理なのに昆布を使うことも。異なるものとの調和、でしょうか。
はい。これも、ミックススタイルですね。昆布も鰹節も、主張しすぎないのに旨みはしっかりある。素材の味を引き立ててくれるので、フランスでも「UMAMI」として注目されているんですよ。私のレシピは、食べ手が日本人のフランス家庭料理ですから、なじみのある味を加えることで、食べ心地がよりよくなっているのだと思います。
――お使いになる道具にも、国境はないですね。
私の手に馴染む形であって、至らないところを補ってくれるものであれば、どの国の道具でもいいと思います。
――ストウブの鍋もよく登場します。
はい。鍋の素材、構造が料理してくれるという面があって、ほうっておいても時間がおいしくしてくれる鍋です。自分の力量に、さらに力を与えてくれる道具がいくつかあると、料理の幅と奥行きを作ってくれます。
道具は相棒だとサルボさん。スパチュラひとつでも、自分の手になじむものを選ぶ。
――グラスやお皿を選ぶ条件はあるのでしょうか。
シンプルで丈夫、食洗機が使えることが条件です。ワイングラスもスタッキングできるものばかりです。ステム(持ち手)のないのは、スペインのボデカというブランド。ステムつきは、ボルミオリ・ロッコ製。コロッセオというシリーズで、ステムつきでもスタッキングできます。お皿はフランスの業務用、ピリヴィッツというブランド。白一色。シンプルで丈夫で、飽きがこない。ここにある模様のある食器はすべて撮影用なんです。
――ご自宅では、どんな食器をお使いですか。
同じです(笑)。教室でも自宅でも「白い食器」がいちばん料理を引き立ててくれるので。
――飽きることはありませんか。
不思議とないですね~。若い頃はブランドの食器をコレクションしていましたが、帰国後、まったく関心がなくなりました(笑)。フランスでは、ファッションは皆、古着でしたし、彼らは人と比べない。多民族国家ということもあるのでしょうか、肌の色も、言葉も違う。それが意外と心地よく、開眼したのかも。日常にあって気を遣わず、快適なものがいちばん。
日本でも手に入る。ステムがあるのにスタッキングできるワイングラスは便利。
――身だしなみとして、どんな点を気になさいますか。
料理をしているので、いちばん気を遣うのは、清潔感ですね。じゃ、清潔感をどこで見るかというと、手と爪、歯、髪、です。ハンドクリームはいつもキッチンのそばに置き、歯のホワイトニングを定期的にして、食いしばり予防のマウスピースも使っています。とくに、口元と髪は年齢が出やすい場所。年齢相応でいいのだけれど、手をかけていたいと思っています。
――サルボさんは、髪がたっぷりあります。
毛量はしっかり(笑)。でも、年々、くせ毛のカールが強くなって、生え際だけが薄くなってきています。今、朝晩、デルメッド ヘアエッセンスを使ってマッサージしているのですが、抜け毛が減って、髪のハリが出た気がします。
――もう染めずに、グレイヘアになさるのでしょうか。
はい、自然にグレイヘアにしていこうかと。ただ、何も手をかけずに放置している感じでいるのは避けたいので、少しだけシルバーの色をのせているんですよ。なじませる意味もあって。海外では、髪の色、質感が一人ひとり違って、ブロンド、プラチナ、ブルネット、赤い髪、黒い髪とさまざま。どんな髪でもその人なりの美しさがありますが、ツヤは大事。私はデルメッド ヘアオイルの軽いつけ心地が気に入っています。
デルメッド ヘアオイルを手のひらになじませ、髪につける。毛先もまとまりやすくなる。
商品

洗い流さないトリートメント

ヘアオイル

【商品番号】340【容量】100mL (約1.5~2ヶ月分)

通常価格3,520円(本体価格 3,200円)

公式サイトで購入
●第4回は1月14日公開。サルボ恭子さんの「これから」についてお聞きします。

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サルボ恭子(サルボ・きょうこ)料理家

老舗旅館の長女として生まれ、料理家の叔母に師事した後、渡仏。パリの料理学校で料理と菓子を学び、「オテル・ド・クリヨン」のメインダイニングで研鑽を積む。現在は日本と台湾で料理教室を主宰するかたわら、雑誌やTVなどでレシピを公開。洗練された家庭料理にファンが多い。子どもたちは独立し、フランス語教室を主催する夫と両親と2世帯で暮らす。『おもてなしは一点豪華主義でいい』(誠文堂新光社)『フランス共働き家庭の2品献立』(立東舎)など著書多数。

facebook @kyokosalbotofficial
Instagram @kyokosalbot

撮影・小松勇二 ヘア&メイク・レイナ 構成と文・越川典子

サルボ恭子さんデザイン「NOTRE TABLIER(ノートル・タブリエ)」 リネンエプロン&トーション&クロスのセット(2万2000円 税別)を2名様にプレゼント!

「私たちのエプロン」と名づけられた、このエプロンセット。リネン(麻)専門のリネン&デコールとサルボ恭子さんがコラボレーションして実現。グロッシーブラック・アイスグレの2色のエプロン1枚に、トーション(アームタオル)とクロスがセットになっている。「エレガントで美しく、使い込むほどになじんでいくリネンで作りました」(サルボさん)。トーションの色はキッチンでも食卓でも映えるパープル。クロスはグレーとネイビーのピンストライプ。下記オンラインショップにて予約がスタートした。サルボさんによる、3品で完成する簡単おもてなしレシピつきです!(色指定はできません)
https://www.linenanddecor.net

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