【ずっと会いたかった人】人気のフローリスト・若井ちえみさんに聞く、センスのいい花の選び方(3/4)
訪れるたびに異なる花が迎えてくれるフラワーショップ「duft(ドゥフト)」。スタイリッシュな花選びに定評があるオーナーの若井ちえみさんに、花の選び方、生け方を教えてもらいました。
- ――ときどき訪れると、店内の花ががらっと入れ替わっていて、毎回刺激的です。
- そう言ってくださるとうれしいです。週3回の花市場で、そのときどきに出合った花を、お店でどう見せるかイメージを作りながら仕入れていくんです。仕入れてからも、どう配置するか、いちばん花がきれいに見えるように、お客様が自分の花と出合いやすいようにと考えていますね。
- ――これは何の花ですか? と若井さんに尋ねるのも楽しい時間です。
- 「この花、初めて見ます」「これはどんなふうに生ければいいですか?」などと聞かれるのは、私もすごくうれしいんです。花を飾ったことのない方、興味のなかった方にも、何だろうと興味をもってもらえたらと思って、花を仕入れています。シルエットが美しかったり、色の入り方が面白かったり。選んでもらって終わり、ではなくて、花のことを少しでもお伝えしたいんです。
- ――花選びの質問も多いとか。
- 「おすすめの花はどれですか?」と聞かれることが多いのですが、「今のご自分の気持ちにぴったりな花を探してみてください」とお話しています。「正解がわからない」とおっしゃる方も。でも、花選びや飾り方に正解はありません。生命があり、枯れていく花を、今週の一輪はこれ! と、その命ある姿を愛でてあげてください。
- ――「花初心者」は、どんなふうに花を生けたらいいのでしょう。
- まず一輪から始めるといいと思います。口の狭い一輪挿しがおすすめです。口が大きい花瓶はどうやって生けるか、悩んでしまうと思うので。一輪挿しをいくつかまとめて一箇所に置いても素敵だと思います。花瓶の色や形、お花、それぞれが一つのアレンジとなってくれて、いけるのは簡単に、気軽に楽しめます。
- ――若井さんのショップには、お花以外に、色あざやかなフラワーベースがたくさんありますね。
- はい。透明の花瓶はどんな花にも合うから使いやすいと考えている方が多いんですが、実は、色のついた花瓶でしか楽しめない魅力もあります。その色が花の色を引き立ててくれたり、間を埋めてくれたり、透明では感じられない、まったく違った見え方を見せてくれます。花と組み合わせて花瓶もお買いになるお客様もいます。お気にいりのものなら、花がないときでも楽しいですよ。
- ――どんな花瓶に飾るかを、お客様にお聞きするのでしたね。
- お店で何本か買って帰っても、自宅の花瓶に生けてみるとうまく飾れないということがあるかと思います。「花瓶はこんな大きさで、玄関に飾りたい。玄関はこんなイメージで……」と具体的に話を伺えると、うまく飾れました! と言っていただく場合が多いんです。ネットのご注文でも、花瓶やお部屋の写真を送ってもらい、ブーケを作ることもあります。
- ――若井さんが選ぶ花は、見たことのない、存在感のある花が多いです。
- 仕入れには力を入れていますが、実はよく見る花も店頭に並べているんですよ。並べ方、選び方、空間とのバランスで、違った見え方がするのかもしれません。決して珍しい花でなくても、一輪あるだけで部屋の空気を一変させてしまうほどの力があると思っています。
- ――2輪以上の花を組み合わせる場合、コツはありますか?
- 同系色でまとめてくださいとか、花と葉っぱを合わせてほしいと言われることがあるのですが、まったく違った色や形同士を組み合わせてみても、お互いを引き立て合ってくれます。丈の長さも、思い切って高低差をつけてみても、いつもと違った楽しみを感じられるかもしれません。
- ――郊外に遊びにいらっしゃるのがお好きと聞きました。
- 北海道生まれということもあって、自然の中にいるのが好きなんです。たまの休みには、車で海や山に出かけます。おいしい空気で深呼吸する時間が好きです。今の私にとって大切なのは、ストレスをためないこと、心を平らかに保つための方法をもつこと。ヨガやエステに行く時間はないので、朝晩の肌のお手入れ時間が、自分を調整する時間にしています。
- ――明け方から仕事をすることも多いお仕事ですから、1日の終わりも大切な時間ですね。
- 湯舟にゆっくりつかりながら、デルメッド バーム クレンジングでしっかりメイクや汚れを落とし、自分に戻る――これがルーティンです。バームなのに、乾燥肌の私が使っても、すっきりするのに、あとがしっとり。ストレスがまったくないのが、うれしい。そのあとのお手入れが楽しみになるクレンジングです。
●第4回は、若井ちえみさんに、仕事をもつ女性としての「これから」をお聞きします。
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若井ちえみ(わかい・ちえみ)
フラワーデザイナー、「duft」オーナー
1986年北海道生まれ。フラワーショップ勤務を経て、2016年5月、東京世田谷区、松陰人社前にフラワーショップ「duft(ドゥフト)」をオープン。一人ひとりのお客様と向き合い、丁寧にブーケやアレンジメント作りが評価されている。店舗やイベントのディスプレイ、撮影のスタイリングなどでも活躍。店舗は不定休。躍。店舗は不定休。
撮影・青木和義 構成と文・越川典子