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【ずっと会いたかった人】和菓子作家の坂本紫穗さん(1)

和菓子のアーティストとして、今、世界中から注目を集めている女性がいます。「頭の中が和菓子でいっぱいの甘い毎日です」と笑う和菓子作家・坂本紫穗さんに会いに行きました。

紫穗さんの和菓子は美しくてずっと見ていられます。
ありがとうございます。うれしいです。和菓子を作るときは、まん丸に丸める、真四角に切る、生地を平らにするというような基本の動作を大切にしています。まずは、制作をする場所を整えるところからスタート。板は机に対して平行に置き、麺棒やへら、竹串などの道具は使う順にまっすぐそろえるようにしています。材料の生地や餡は、湿度や温度で状態が変わるので前日から天気予報を入念にチェックし、その日、その時間に最高の状態になるように準備します。意外と大事なのが、体調を整えて平穏な心で和菓子と向き合うこと。和菓子には今の自分がそのまま出てしまいますから。
ほころんだばかりの椿の花を練り切りで表現。花弁の微妙なぼかし具合、丸みを強調する線の入れ方、黄色いしべの存在感など、イメージを手に移していく作業はこの上なく繊細だ。
「和菓子作家」という職業、初めて知りました。
どんなお仕事なんですかと不思議に思われること、多いんですよね。正直、私も説明するのが難しいなと。私自身が、和菓子作家を模索している最中なのかもしれません。私の仕事は、自然や情景から受け取った「印象」を和菓子で表現すること。たとえば、椿をモチーフにしたお菓子を作るとき。力強く咲き、潔く花を落とす椿を和菓子でどのように表現しようか考えます。凛とした佇まいを表す素材は何がいいか、無邪気な様を感じてもらうには何色がいいか、写実的に表現するか、抽象的に表すか。考え、試作を繰り返し、ひとつの作品にたどり着いたとき、深い喜びを感じます。名刺に「和菓子作家」と書くようになり7年が経ちますが、無我夢中で作り続けた結果が、和菓子作家になればいいのかなと思います。
「手」は信頼できる道具。「手のひらの形、力の入れ方、手先の細やかな動き。使うほどに冴えていくような気がします」と紫穗さん。
和菓子作りをして感じる「喜び」を教えてください。
作っていること。それ自体が喜びです。最近、「紫穗さんの感性にまかせたい」と依頼をいただくことが増えてきました。本当にありがたいことです。おまかせいただいたからには、自分の作りたいものと、相手の求めているものが合っていることが大事。相手の思いを汲み取るために、打ち合わせには時間をかけます。今回は椿を練り切りで表現しましたが、練り切りを選んだのは、率直にいうと「なんとなく」なんです。もしかしたら、ういろうや干菓子でもよかったかもしれない。でも、その「なんとなく」を突き詰めていくと、必ず理由があるんですよね。私の作る和菓子が、見てくれた人の感性に寄り添えたとき、初めて喜んでもらえる。そんな風に思っています。
練り切りには紅茶がよく合うという。練り切りの柔らかい甘みが紅茶の渋み、香りを引き立てる。「飲み物と合わせたとき、味わいがどのように変化するかを模索するのも、創作の一環ですね」
アイディアが生まれるのはどんなときですか。
15年くらい続けていることがあります。週に3~4回のヨガです。これが私のリラックスタイムで、頭の中を空っぽにできるごほうびのようなひととき。瞑想状態になっていると、和菓子のイメージがビジュアルで浮かんでくることもあるんですよ。和菓子作りに没頭していると、どうしても呼吸が浅く、体はちぢこまってしまいますから、呼吸を深めて、体をほぐす時間は大事にするようにしています。日々の帰宅時間もだいたいも決めていて、夜はゆっくりお風呂に入って、たっぷり睡眠をとる。肌を整える時間も大切ですね。デルメッド プレミアム ローションのほんの少しとろみがある感じが好きで、たっぷり手にとって、じんわり浸透させていると、ほっと心がほどけていくのを感じます。
気に入った化粧品は長く使い続ける。最近はデルメッド プレミアムシリーズを愛用。
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坂本紫穗(さかもと・しほ)

和菓子作家

1982年生まれ。オーダーメイドの和菓子を作品として制作・監修。国内外で和菓子教室やワークショップを行う。メディアでの和菓子監修のほか、安倍昭恵内閣総理大臣夫人主催茶会(総理公邸)での茶菓子提供、和菓子屋「宗家源吉兆庵」とコラボレーション、和菓子を介して環境問題に取り組むなど活動の幅を広げている。

https://shiwon.jp/
Instagram @shiwon.wagashi
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撮影・青木和義 ヘア&メイク・広瀬あつこ 文・高橋顕子 構成・越川典子

プレゼント 陶芸家・田村一さんのオリジナル菓子皿 2枚セット

抽選で5名様に、陶芸家・田村一さんのオリジナル菓子皿「plate “through water” 」を2枚セット(直径14.5cm)でプレゼント。坂本紫穗さんがリスペクトする陶芸家の田村一さん。小川に積もった雪の下を流れる水をイメージした作品です。益子焼の制作を経て、故郷・秋田県で「秋田の冬の景色」をモチーフにした作品を手がける田村さん。この器を使いたいから和菓子を用意する。そんなおやつ時間をお楽しみください。

https://www.tamurahajime.jp/