夏はアイスクリーム色のブラウスで。
南国のアイスクリームのような色合わせが大好きです。ピンクと黄緑色のストライプのブラウスはロケで南の島へ行く時に必ずスーツケースに入れた1着です。撮影が終わって太陽が沈みかけたビーチで遊ぶ時に水着の上に被って行きました。わたしの夏の思い出がたくさん詰まっています。黄緑色のガラスのビーズは2本の紐に通して、首の後ろで結んで長さを調節できるネックレスにしました。使い道を決めずに気に入ったビーズやパーツを買っておくのが習慣になっています。アクセサリーにしたり、ボタンにしたり、手のひらでころころと愛でたり、楽しみ方もひとつではありません。
ヨットは着るに限ります。
15歳の時に「mc Sister」という雑誌のロケで葉山マリーナへ行きました。モデルになって2回目の撮影です。一度にたくさんのヨットを初めて間近で見ました。まだ肌寒い季節の夏物の撮影で、早朝の空の色とマリーナの空気をよく覚えています。マリンルックが流行っていましたので、ヨットや錨(いかり)のモチーフもよく目にしました。そして、わたしは今も変わらずにヨット柄が好きなのです。このサマードレスは一目惚れでした。これを着て夏の海風が吹く街を歩きたいと、ここ数年思っているのですが、その機会はなかなか訪れません。そろそろ友と旅行に行きたいものです。
揺れるサクランボ。
赤くて丸くて可愛いもの、それはサクランボ。耳元でサクランボが揺れていると思うと、それだけで一日が嬉しくなります。赤いイヤリングというのは、赤い口紅やネイルと同じくらいドキッとして惹かれてしまうのです。大人らしく装う為ではなく、一日を元気に過ごす為の赤です。わたしはアクセサリーが収まっている小さな引き出しを開けて、「あぁ、可愛いなぁ、幸せだなぁ」とひとりにっこりしながら身支度を整えます。
西陽の射す憧れの庭。
花は最後まで楽しみたいと思っています。ドライフラワーになったら家の中の風通しの良いところや西陽の当たる窓際に置くと良いのだそうです。ゆっくりと乾いて、色が濃くなったり、想像していた色にはならなかったりするのも一括りで楽しみです。なかなかお会いできない大好きな方のお庭の花のドライフラワーも飾っています。昨年の舞台の時に友に戴いた花も、撮影で戴いた花も、ベランダで咲いた花も、花びらをがくから外してドライにしています。こうして集めるとまるで夢の庭のようです。季節の違う花が一斉に咲き誇る、わたしだけの憧れの庭。
文と写真・優恵
優恵
ゆえ
モデル・俳優。ティーン誌『mc Sister』の専属として活動を始め、カバーモデルをつとめる。『non-no』『SO-EN』など多くの女性誌、TVコマーシャル、ファッションショーなどで活躍。20代後半からは映画、ドラマに出演し、活動の場を広げる。近年の出演作品に、美玖空トライアル公演「女は女で、女である」(2021・美玖空 脚本/演出)、『秘密のフレグランス』(2021・富田大智 監督)、『Motherhood』(2019・萬野達郎 監督)、『しあわせだったにゃよ』(2019・利重剛 監督)、『午後の悪魔』(2017・中村真夕 監督)、『アイズ』(2015・福田陽平 監督)、『PASSION』(2008・濱口竜介 監督)、インスタシネマ『女図鑑』(2019・美玖空 脚本)などがある。ドラマとファッションとおいしいものと花をこよなく愛する。フォトエッセイ『昼寝の前に』を連載中。https://6ropeway6.com/
撮影・青木和義