モデル・優恵の笑顔日記「明日も笑う所存です。」
ESSAY vol.15
【モデル・優恵の笑顔日記「明日も笑う所存です。」】Vol.15「我が家は異国で溢れている。」
バリで日傘を差したのは。
バリのイカットの生地で作られたワンピースを着ていると、あの島の濃い緑の山や森の中の空気を思い出します。30年前、わたしはバリで日傘を差して砂浜を歩いていました。今ほど素敵に拓けていなかった南の島でレンタカーを借りてガイドブックと地図を見ながら散策をする、のんびりとした旅でした。通り沿いにある籠(かご)屋さんの店先にはたくさんの籠が上から葡萄のように吊られていて、旅の思い出にひとつ買って帰りたかったのですが、これと思うものを見付けられず別の工芸品を選びました。今は日本でもアタ(インドネシアのシダ科植物)の籠が、しかも洒落たデザインのものが手に入るので嬉しいことです。ある日、友から小包が届きました。可愛い小さなアタのバッグでした。日傘を差して、バッグを掛けて、気分良く歩きましょう。あの日の砂浜を思い出して。

アルゼンティーナってどこだっけ?
10年以上愛用しているベルトが随分とくたびれて来ました。そのうちにちぎれてしまうのではないかと心配して出番を少なくし、「見るだけベルト」になってしまうのかと悲しくなって買ったお店にも探しに行きましたが同じものも似たものもありません。ところがある日、Instagramの広告でそっくりなベルトの写真が現れたのです。どうやって探せば良いのかもわからずにいたのに、あちらから来てくれた。そのサイトを見るとArgentinaと書いてある。どこだ、アルゼンティーナって。地図を見て、そんな遠い異国からベルトなんかを送ってもらうべきではない? 1ヶ月悩んで、何度もサイトを見て、やっぱり欲しい、送ってもらおうと決心してサイズの確認のメールのやり取りもして、何ヶ月だって待つつもりでいましたら、次の週には届いてしまいました。

「彼女」のテラスに。
わたしが中学3年生の夏、母が小さなブティックを開きました。母の好きなものが並ぶお店です。お洋服、アクセサリー、器、新しいものからアンティークまで様々に少しずつ。数年で畳んでしまいましたが、お店に並んでいた商品の中から母が家に持ち帰って来たものがいくつかあり、その中で今も我が家に残っているのがテラコッタに絵付けされた壁掛けです。母からすれば、さして思い入れがあったわけではないと思うのですが、結果として40年近く我が家にあり、今となってはわたしがとても好いている「彼女」です。

美味しいサラダになった気分。
デルメッドのディープモイスト オイルを朝晩使っています。セージの葉のエキスが成分に入っているので、良い香りがしてパリパリ野菜のサラダになった気分です。乾燥させたセージの葉を焚くとその煙は部屋の空気を浄化してくれると教えてくれた友の顔を思い出しました。心に良いものと肌に良いものは同じなんだなぁと知った今日この頃です。鏡の前で頬に手をあてて香りを吸い込むと、浄化されたわたしの出来上がりです。


優恵
ゆえ
モデル・俳優。ティーン誌『mc Sister』の専属として活動を始め、カバーモデルをつとめる。『non-no』『SO-EN』など多くの女性誌、TVコマーシャル、ファッションショーなどで活躍。20代後半からは映画、ドラマに出演し、活動の場を広げる。近年の出演作品に、美玖空トライアル公演「女は女で、女である」(2021・美玖空 脚本/演出)、『秘密のフレグランス』(2021・富田大智 監督)、『Motherhood』(2019・萬野達郎 監督)、『しあわせだったにゃよ』(2019・利重剛 監督)、『午後の悪魔』(2017・中村真夕 監督)、『アイズ』(2015・福田陽平 監督)、『PASSION』(2008・濱口竜介 監督)、インスタシネマ『女図鑑』(2019・美玖空 脚本)などがある。ドラマとファッションとおいしいものと花をこよなく愛する。フォトエッセイ『昼寝の前に』を連載中。https://6ropeway6.com/
撮影・青木和義
文と写真・優恵