白い帽子とヒヤシンス。
日が長くなって春を過ぎると青空に映える白を手に取ることが増えてきます。白い帽子は顔が明るく見えるような気がしませんか? 半袖のカットソーのワンピースにトレンチコート仕立てのジレを合わせています。指輪は17歳の秋に撮影で連れて行って頂いたパリのアンティークショップで見つけたものですので、日本に来て35年くらいになりました。海外ロケの時にはなんとか1日お休みにしようとみんなで頑張りましたので、その1日にはお買い物に朝から街を歩いたものです。夕刻にはすっかりくたびれて、一緒に出掛けたモデル仲間とホテル近くのアーケイドでお惣菜を買い込み、部屋でのんびりと食事をしたりもしました。楽しく懐かしい想い出です。
レモン三昧。
国産のレモンを使いたくて瀬戸内の島レモンを取り寄せました。皮が柔らかくて酸っぱ過ぎない美味しいレモンが届きました。焼き魚や鶏肉のソテーに絞った後の皮を細かく細かく微塵切りにしてレモンクリームソースを作ってパスタにしたり、細く切ってマーマレードにしたりしました。そして忘れてはならないのが美味しいレモンで飲みたいレモン酎ハイ。数年前に女友達ふたりと訪れた尾道で飲んだレモン酎ハイがとても美味しかったので、東京に戻ってから暫くは家でもビールではなくレモン酎ハイでした。レモンの木が欲しいと考えています。鉢でもちゃんと実をつけてくれるものでしょうか?
大きなお急須ではお茶は淹れません。
ふらりと立ち寄った古道具屋さんで見付けた大きなお急須、花を挿したくて買い求めました。時折古物を扱うお店で見掛けていたのですが、絵柄が好みではなかったり、予算に収まらなかったり、これと思うものが出て来るまで待つぞと思っていたら、ちゃんと出て来たのです。口の先が欠けているので少しお安くしてもらえました。旅館や食堂で使われていたものでしょうか。いっぱいにお茶が入ったら重かろうと思うのですが、実用だったようですからそれ以外に使い道も思い当たりません。ぎゅっと抱きしめたくなるくらい嬉しい大きなお急須、我が家では花を挿して愛でるのみ、大事にしています。
友に2枚、我が家に3枚。
昨年に続き今年も友の誕生日には会えず、ちょっとした贈り物になにか良きものはないかしらと思っていました。原宿での打ち合わせの帰りに表参道へ足を伸ばして、素敵なお店で昭和初期の瀬戸焼のお手塩皿を5枚買い求めました。ご夫婦ふたり暮らしの友に2枚、我が家は3枚。決して高価なものではありません。お手塩皿や豆皿は気に入ったものを人数分だけ揃えます。少しずつ増やしていくと食卓の様子が変わって見目に飽きないのです。2枚のお皿を小さく包んで、近頃気に入っているおやつと一緒に友へ送りました。来年こそは変わらぬ笑顔で一緒に祝えますように。
優恵
ゆえ
モデル・俳優。ティーン誌『mc Sister』の専属として活動を始め、カバーモデルをつとめる。『non-no』『SO-EN』など多くの女性誌、TVコマーシャル、ファッションショーなどで活躍。20代後半からは映画、ドラマに出演し、活動の場を広げる。近年の出演作品に、美玖空トライアル公演「女は女で、女である」(2021・美玖空 脚本/演出)、『秘密のフレグランス』(2021・富田大智 監督)、『Motherhood』(2019・萬野達郎 監督)、『しあわせだったにゃよ』(2019・利重剛 監督)、『午後の悪魔』(2017・中村真夕 監督)、『アイズ』(2015・福田陽平 監督)、『PASSION』(2008・濱口竜介 監督)、インスタシネマ『女図鑑』(2019・美玖空 脚本)などがある。ドラマとファッションとおいしいものと花をこよなく愛する。フォトエッセイ『昼寝の前に』を連載中。https://6ropeway6.com/
撮影・青木和義
文と写真・優恵