フューシャとは花の名前でした。
小さくぶら下がるように咲く、濃いピンク色の花です。花言葉はいろいろありますが、その中でも「恋の予感」、「信頼した愛」などがフューシャピンクという色に似合う気がします。見るとグッと来ます。着ると元気になります。この色のスカートや大判のストールを愛用していますが、今年はmotherのリサイクルカシミアを使用したニットのチュニックとパンツをセットアップとして手に入れました。リップグロスも同じ色にしてみました。外出する時にほとんど口紅を塗らなくなりましたので、家で寛ぎながらもちょっと華やかに。
寛ぎとおしゃれを両立させたい!
冬のセットアップがとても好きで、「柔らかいスーツ」と呼んでお出掛けをします。お家でごろごろしそうですが、敢えてしません。ちゃんとコートを着てバッグを持つと、おしゃれでとても良いのです。なにしろ暖かい。ということで、ベージュとイエローも他のブランドのものを持っています。車での移動にも向いていますし、いつかまた飛行機に乗って遠くへ行けるようになったら、是非着て行きたい! あぁ、冬の飛行機、なんて素敵でしょう。
香りの記憶。
先日、映画の撮影で新しい香りに出逢いました。久し振りに自分の香りを選ばせて頂く機会を得て、いろいろな香りの記憶が甦りました。どちらかと言うと、爽やかな香りよりも、梔子(くちなし)やジャスミンの花のような、目を閉じてうっとりとしたくなる濃くて甘い香りが好みです。娘の頃、好意を寄せていた男性が着けていた香りと街で擦れ違うと、ドキドキして振り返り、人混みを探したくなる衝動に駆られたものです。香りの持つ不思議な影響力ですね。
花模様の壁紙に憧れます。
イギリスのドラマを観ていると、古い大きなお屋敷の奥様の寝室や、午後のお茶の時間を過ごす部屋の壁紙に花模様が描かれていることがあります。大きく大胆に、まるで庭園にいるかのような彩りの花々に、「あぁ、いつかこんな壁紙の部屋で暮らしてみたい」と憧れています。中学生のわたしに、自分の部屋の壁紙を選んで良いと言った母を思い出しました。わたしは、見本帳の中から森のように見える緑色の樹々が並んでいる壁紙を選びました。母はトイレにピンクのバラの模様を選びました。趣味が似たのだと思います。
優恵
ゆえ
モデル・俳優。ティーン誌『mc Sister』の専属として活動を始め、カバーモデルをつとめる。『non-no』『SO-EN』など多くの女性誌、TVコマーシャル、ファッションショーなどで活躍。20代後半からは映画、ドラマに出演し、活動の場を広げる。近年の出演作品に、美玖空トライアル公演「女は女で、女である」(2021・美玖空 脚本/演出)、『秘密のフレグランス』(2021・富田大智 監督)、『Motherhood』(2019・萬野達郎 監督)、『しあわせだったにゃよ』(2019・利重剛 監督)、『午後の悪魔』(2017・中村真夕 監督)、『アイズ』(2015・福田陽平 監督)、『PASSION』(2008・濱口竜介 監督)、インスタシネマ『女図鑑』(2019・美玖空 脚本)などがある。ドラマとファッションとおいしいものと花をこよなく愛する。フォトエッセイ『昼寝の前に』を連載中。https://6ropeway6.com/
撮影・青木和義
文と写真・優恵