dermed style もっと笑顔の日

【モデル・優恵の笑顔日記「明日も笑う所存です。」】Vol.9「楽しい冬にしなくては!」

百合の花と椿の種。

カナダに住む姉と慕う友から、誕生日の数日前にそれは見事な百合の花束が届きました。幸せは逢えない彼方から愛とともに。家中、良い香りが漂います。日々、散歩道にある椿の木を見ています。花が終わり、実がなり、それが割れて種がこぼれました。仲の良い友は子供の頃、割れた殻でおままごとをした想い出があると教えてくれました。母の子供の頃は、椿の種の皮を剥いて中を取り出し、それを布巾に包んで板張りの廊下を磨いたと話してくれました。そしてわたしたちの郷里では、椿の実のことを「かたし」と呼ぶのだと教えてくれました。散歩道でわたしの知らない母の話を聞くのは良いものです。

「かたし」が割れて種がこぼれている隣の枝にはつぼみが膨らんでいました。またすぐに花が咲くようです。

大人の赤い靴はいかがですか?

なんて可愛いの!と一目惚れをして買い求めた赤いベルベッドのスリップ・オン。この可愛い靴になにかあっては困るので、何年も経っているのに数えるほどしか履いて出掛ける機会を持てずにいました。「なにか」とは、不意の雨、電車で踏まれる、思わぬものを踏んづけてしまう、などのアクシデントのことです。細い糸のタッセルは英国紳士のルームシューズのようで、それも外で履きたくないと思ってしまう理由のひとつかも知れません。でも、履いてこその靴、この冬はたくさん履こうかなと思います。そう、クリスマスに!

本当は柔らかい絨毯の廊下を歩きたいのです。ホテルなら安全なので、いつか旅行に持って行きましょうか。

房、ふさふさ、タッセル。

もともと着物の羽織紐や帯締め、お数珠の房が好きで、そこからタッセルに心を奪われたのは30年ほど前でしょうか。カーテンを仕立てるお店へ行くと様々な大きさと素材のタッセルを見ることができると知り、「こんなところにあったのか!」と小躍りしました。海外でもインテリアのお店を見付けるとふらりと入ってその国ならではのものを選びます。ここ数年は友人たちがそれぞれのショップで可愛いタッセルを扱うようになり、嬉しい限りです。バッグに付けたり、鍵に付けたり、あちこちふさふささせたいので、いくつあっても良いものです。

『THE ART OF TASSEL MAKING』という夢のような本を手に入れました。3分割されたページをめくると何通りもの組み合わせのタッセルのデザインと、その作り方、糸の巻き方が詳細に記されているのです!

気持ち良く眠るために。

昨冬に新調した羽毛の掛け布団はふかふかで、横になると5つ数える頃には眠りに落ちています。朝はぬくぬくと気持ちが良くて、なかなか寝床から出られません。パジャマとベッド周りのものを揃えるのが好みで、アメリカのベッドリネンのブランドの通販で日本ではあまり見られないような絵柄のベッドカバーやパジャマを注文していたこともありましたが、最近は真っ白い麻にも魅せられています。女友だちとの旅行の時は、持って行くパジャマを選ぶのも楽しみのひとつです。

ダリア柄のチャイナ服仕立てのパジャマはKEITA MARUYAMA TOKYO PARIS。随分と長く着ていますが着心地の良さは変わりません。ベッドカバーとピロウケースもお揃いです。

優恵

ゆえ

モデル・俳優。ティーン誌『mc Sister』の専属として活動を始め、カバーモデルをつとめる。『non-no』『SO-EN』など多くの女性誌、TVコマーシャル、ファッションショーなどで活躍。20代後半からは映画、ドラマに出演し、活動の場を広げる。近年の出演作品に、美玖空トライアル公演「女は女で、女である」(2021・美玖空 脚本/演出)、『秘密のフレグランス』(2021・富田大智 監督)、『Motherhood』(2019・萬野達郎 監督)、『しあわせだったにゃよ』(2019・利重剛 監督)、『午後の悪魔』(2017・中村真夕 監督)、『アイズ』(2015・福田陽平 監督)、『PASSION』(2008・濱口竜介 監督)、インスタシネマ『女図鑑』(2019・美玖空 脚本)などがある。ドラマとファッションとおいしいものと花をこよなく愛する。フォトエッセイ『昼寝の前に』を連載中。https://6ropeway6.com/

撮影・青木和義

文と写真・優恵