モデル・優恵の笑顔日記「明日も笑う所存です。」
ESSAY vol.4
【モデル・優恵の笑顔日記「明日も笑う所存です。」】VOL.4 「いざ、夏支度。」
いつもより少し短めに髪を切る。
わたしは髪が伸びるのが早いので、毎年夏になる前に考えます。今年の夏は髪を結ぶのか、それとも短く切って帽子を楽しむのか。20年近くお世話になっているヘアサロンで、暑くなる前に「短くして下さい!」とお願いしました。肩から遠い、耳たぶが少し見えるくらいの潔い短さです。代々木上原のPale Juteでお願いしていたsuzuki takayukiのピンク色のワンピースが届いて、ヘアスタイルもすっきりとご機嫌ないでたちのわたしです。
これはピンク色の魔法ではありませんか?
甘い甘いピンク色を纏って出掛ける日の気分の良いことと言ったらありません。見ているだけでとろんとした心持ちになって少しばかり優しくなれるような気がするのです。鏡の前を通り掛かってパッとしない表情の自分を見て「これはいかん」とピンク色を着ることもあります。ショップでピンク色の洋服を前にするとついうっかり財布の紐が緩んでしまうことも、あったり、なかったり。桜色、桃色、薄紅色、梅色、薔薇色、睡蓮色、珊瑚色、少しずつ違う色にはそれぞれに名前があって、その名前を知るだけでも、うっとりと楽しいひと時です。
石鹸の想い出。
我が家は固形石鹸が好きなので、洗面所には白い固形石鹸、バスルームにも香りの良い固形石鹸と液体石鹸の両方を置いています。海外へ旅行した時には、結構な数の石鹸を友へのおみやげと我が家へ買って帰ります。初めて撮影で連れて行って頂いたパリで、スーパーマーケットのMonoprix(モノプリ)に行き、こんなに良い香りの石鹸があるのかと驚きました。15歳でした。すみれ、梔子(クチナシ)、蘭に鈴蘭、おまけにパッケージもとても可愛くて、石鹸ひとつ取っても「パリって素敵だ」「これぞパリ」と子どものわたしは言葉で伝えられないほど感動したものでした。その感動と憧れは今もずっと続いています。
サンダルでもなくスニーカーでもなく。
素足の季節にはエスパドリューです。「ちょっと、そこまで」の時にはフラットソール、「夏の間のおしゃれ」にはウェッジソールのエスパドリューが活躍します。いったいいつからこんなにエスパドリューが好きになったのか。それは15年ほど前に行ったアムステルダムの靴屋で見付けた黒いウェッジソールのCastaner(カスタニエール)が最初ではないかと思います。その後も何年かに一度、買い足していました。コットンのロングスカートにプラカゴバッグを合わせて、エスパドリューを履いて出掛ければ、夏気分満喫です。
優恵
ゆえ
モデル・俳優。ティーン誌『mc Sister』の専属として活動を始め、カバーモデルをつとめる。『non-no』『SO-EN』など多くの女性誌、TVコマーシャル、ファッションショーなどで活躍。20代後半からは映画、ドラマに出演し、活動の場を広げる。近年の出演作品に、美玖空トライアル公演「女は女で、女である」(2021・美玖空 脚本/演出)、『秘密のフレグランス』(2021・富田大智 監督)、『Motherhood』(2019・萬野達郎 監督)、『しあわせだったにゃよ』(2019・利重剛 監督)、『午後の悪魔』(2017・中村真夕 監督)、『アイズ』(2015・福田陽平 監督)、『PASSION』(2008・濱口竜介 監督)、インスタシネマ『女図鑑』(2019・美玖空 脚本)などがある。ドラマとファッションとおいしいものと花をこよなく愛する。フォトエッセイ『昼寝の前に』を連載中。https://6ropeway6.com/
撮影・青木和義
文と写真・優恵