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【メンテナンスごはん】生姜ミルクプリン

中国・広東発祥の広東式生姜ミルクプリン「薑汁撞奶(キョンジャッゾンナーイ)」は、生姜と牛乳、砂糖という3つの材料だけで作るプリンです。
香港などでも名物デザートとして大人気ですから、召し上がったかたも多いと思います。
わたしも大好き。
牛乳のまろやかさに生姜の辛味が利いた冷菓は、夏の冷蔵庫に常備したい、癒しの味わいです。
製法は文字通り「しょうが汁(薑汁)にミルク(奶)をぶつける(撞)ように勢いよく注ぐ」と出来ます。
ただし生姜と牛乳を一定の温度帯で混ぜたときだけに起こる凝固作用のみに頼ったレシピなので、家で作る場合、固まらずに失敗する確立が非常に高いんです。
なので、材料に粉ゼラチンを足して固める方法がおすすめです。

食材はこちらです。

材料(容量150mlの器4個分)

牛乳600ml
砂糖大さじ3
粉ゼラチン10g
生姜の絞り汁30~40ml(お好みで)

◎新生姜で作ってもおいしい。
◎今回は甜菜糖を使用。砂糖はお好みで。

◎粉ゼラチンは1袋5g入り。2袋用意する。

●さあ、作ってみましょう(調理時間:10分)。

1 生姜の皮をむき、おろし金ですりおろす(画像)。

2 厚手のキッチンタオルで生姜を包み、手でギュッと絞って汁を漉す(画像)。

3 小鍋に牛乳と砂糖を入れ、中火にかけて砂糖を煮とかす。
4 沸騰寸前まで、軽く混ぜながら温めたら、火から下ろす。
5 ゼラチンを振り入れて(画像)、泡立て器でよくかき混ぜ、ダマがないように溶かす。
6 鍋底を冷水に浸けて、表面に牛乳の膜が張らないように混ぜながら冷ます。粗熱が取れたら、2の生姜汁を混ぜる。

7 6を器に均等に注ぐ(画像)。ラップフィルムをかけて、冷蔵庫で3時間冷やす。

8 固まったところ(画像)。シンプルにそのまま召し上がってもおいしい。お好みでメープルシロップや黒蜜、はちみつなどをかけていただく。

ゆで小豆と季節の果物(画像はアメリカンチェリー)をのせて、メープルシロップを大さじ1、黒蜜小さじ1を合わせがけしてみました。

ちょっとひと言

生姜ミルクプリンは加熱しない生の生姜汁がたっぷり入っています。
その理由は、生の生姜に多く含まれる辛味成分のジンゲロールに活躍してもらうためです。
ジンゲロールには、代謝を促進し、血行を良くして発汗を促す作用があるので、水分代謝の悪化(むくみ)の改善が期待できます。
身体に熱がこもりやすい体質のかたにもおすすめです。
また、暑さで弱りがちな消化機能を助ける健胃作用も期待できます。
暑い季節にぴったりなおやつは、生姜ミルクプリンです。

福田 里香(ふくだ・りか)
お菓子&料理研究家

1962年生まれ。武蔵野美術大学卒業。果物の専門店・新宿高野に勤めたのち、独立。漫画への造詣が深く、作品に登場するフード(食べ物)表現を考察した『ゴロツキはいつも食卓を襲う フード理論とステレオタイプフード50』(太田出版)は注目を集めた。フルーツを使った独創的なスイーツや料理にも定評があり、雑誌でフードコラムを担当するほか、『新しいサラダ』(KADOKAWA)、『いちじく好きのためのレシピ』(文化出版局)など著書多数。民芸にも詳しく『民芸お菓子』(エイ出版)がある。
Instagram @riccafukuda

撮影・青木和義

料理作成、写真と文・福田里香