残り物を無駄にしない昔からの知恵です。
一般的にはパンプディングの名前で知られていますが、英国式に「ブレッド&バタープディング」のレシピで作るとさらにおいしい。
手間は食パンにバターを塗るだけなんですが、それだけで卵液から飛び出た上半分はラスクみたいにサクサクになるんです。
もちろん卵液に浸ったプディング部分はとろりとやさしいカスタード風味。
伝統的にはレーズンを散らしますが、酸味の強いベリー類を散らすと甘さが抑えられ、初夏の味わいに。
紅茶のお供にもぴったりです。
余った食パンを卵液に浸して焼くだけで、おいしいおやつの出来上がり。
食材はこちらです。
材料(直径16~18cm程度の耐熱容器1個分)
8枚切りの食パン | 3枚 |
室温に戻したバター | 30g程度 |
ベリー類 ※本レシピは冷凍ラズベリーとブルーベリーのミックスを使用 | 40g程度 |
レモンピール | 適量 |
粉糖(あれば) | 適量 |
【a】 | |
卵 | 1個 |
砂糖 | 大さじ1+1/2 |
牛乳 | 100ml |
生クリーム | 100ml |
◎食パンは角食で作ってもおいしい。
◎ベリー類は手に入るもので作ってください。
●さあ、作ってみましょう(調理時間:30分)。
1 食パンを対角線で斜めに切る。
2 耐熱容器にバターを薄く塗る。
3 2で残ったバターをパンの両面と縁の厚みに塗る。
4 aをよく混ぜて器にそそぐ。
5 器に左右交互にずらしながらパンを並べる。
6 べリー類をちらし20分置く。
少し時間を置くことで卵液がパンにじんわり浸み込む。
7 170℃のオーブンでこんがり焼き色が付くまで25分を目安に焼く。
レモンピールをけずり、あれば粉糖をふる。
8 取り分けて、熱々をいただく。
冷たくしていただくのもおいしい。
ちょっとひと言
ラズベリーの芳香には、ラズベリーケトンという成分が含まれていて、脂肪燃焼効果があるとされています。また、果実も葉もヨーロッパではメディカルハーブとして、特に妊婦の出産前後に愛飲されてきた歴史があるそうです。
最近は初夏から国産のおいしいブルーべリーが出回りますよね。
ブルーべリーはフラボノイド成分を豊富に含み抗酸化作用が強いフルーツ。
アントシアニンも多く含むため目の疲れや視力低下の予防にも効果が期待できます。
福田 里香(ふくだ・りか)
お菓子&料理研究家
1962年生まれ。武蔵野美術大学卒業。果物の専門店・新宿高野に勤めたのち、独立。漫画への造詣が深く、作品に登場するフード(食べ物)表現を考察した『ゴロツキはいつも食卓を襲う フード理論とステレオタイプフード50』(太田出版)は注目を集めた。フルーツを使った独創的なスイーツや料理にも定評があり、雑誌でフードコラムを担当するほか、『新しいサラダ』(KADOKAWA)、『いちじく好きのためのレシピ』(文化出版局)など著書多数。民芸にも詳しく『民芸お菓子』(エイ出版)がある。
Instagram @riccafukuda
撮影・青木和義
料理作成、写真と文・福田里香