レモンの旬はこれからです。
晩夏や秋に出回る青レモンは、未熟な蒼い酸味が魅力ですが、酸味がまろやかになった完熟レモンはまた別のおいしさ。
年が明けて2~4月がレモンの本番、旬になります。
ノーワックスやオーガニック等で栽培された国産のレモンも手頃な値段で手に入る季節ですから、レモンの果皮まで余さず使い、レモンカードを作りましょう。
熟した果皮にはレモンの芳香がたっぷり詰まっていますから、それをレモンカードに移し取るイメージです。ちょっとビターに、さらにおいしく仕上がるのに、材料はたった4つだけと手軽なのもうれしい。
食材はこちらです。
材料(約140~150ml分)
レモン果汁 | 1個分 |
レモン果皮(ピール) | 1/2個分 |
卵 | 1個 |
砂糖 | 75g |
無塩バター | 50g |
◎ボウルは必ずステンレスかホウロウ、ガラス製を使用。アルミ製は酸に弱いので使用しないでください。
●さあ、作ってみましょう。(調理時間:30分)。
1 レモンの皮をよく洗い、輪切りにして果汁をぎゅっと絞り、種は取り除く。
ボウルに卵をよく溶きほぐし、レモン果汁と漉し残ったツブツブの果肉、砂糖、バターを加える。
2 1を90℃の湯せんにかけて、ゴムべらで絶えず混ぜながら砂糖とバターを完全に溶かす。
90℃の湯せん方法:湯を張った鍋をごく弱火のコンロにかけて、その上にボウルを置くとよい。
3 2が完全に溶けたら、茶こしで漉す。
漉したレモン液はボウルに戻す。
4 3を再び湯せんにかける。
レモンの果皮をグレイターで削って加える。
レモン液にとろみが付くまでゴムべらで絶えず混ぜながら火を通す。
5 ゴムべらでレモン液をすくい、スプーンの背でかき取っても跡が消えないくらいとろみがついたら、湯せんを外す。
6 5を清潔なびんに詰める。
ふたをして冷蔵保存。日持ちは2週間。
スコーンやトーストに塗ってもおいしいし、バニラアイスに混ぜ込んでも。
◎出来上がりは140~150mlくらいで、食べきりやすい量です。
7 レモンカード&チョコレートのおやつサンド。
世界中のおいしいチョコレートが手に入る2月にはこんなアレンジもおすすめ。
薄切り食パンに、レモンカードを塗り、カカオ70~80%のビターチョコレートをピーラーで削る。2枚を貼り合わせて、食べやすい大きさに切れば、出来上がり。
レモンとチョコレートは、大好きなおいしい組み合わせ。
酸味とほろ苦さがさらに際立つ、大人のフルーツサンドです。
カカオを多く含む、甘さの少ないチョコレートを使うのがコツ。
ぜひ、試してみてください。
ちょっとひと言
レモンに含まれるクエン酸はカルシウムや鉄の吸収を助ける効果があり、カリウムは美肌を保ち、デトックス効果も期待できます。
またレモンに限らず、柑橘系の果物はフレグランスに「シトラス系」という括りがあるほど、爽やかな香りが人気で、リフレッシュ効果が期待できます。それから、シトラスの香りには抗うつ作用や鎮静作用も期待でき、アロマテラピーの世界でも活用されています。
シトラスの香りは、ほら、こちらの商品にも配合されています。
福田 里香(ふくだ・りか)
お菓子&料理研究家
1962年生まれ。武蔵野美術大学卒業。果物の専門店・新宿高野に勤めたのち、独立。漫画への造詣が深く、作品に登場するフード(食べ物)表現を考察した『ゴロツキはいつも食卓を襲う フード理論とステレオタイプフード50』(太田出版)は注目を集めた。フルーツを使った独創的なスイーツや料理にも定評があり、雑誌でフードコラムを担当するほか、『新しいサラダ』(KADOKAWA)、『いちじく好きのためのレシピ』(文化出版局)など著書多数。民芸にも詳しく『民芸お菓子』(エイ出版)がある。
Instagram @riccafukuda
撮影・青木和義
料理作成、写真と文・福田里香