メンテナンスごはん

【メンテナンスごはん】ラベンダーいちごジャム 小粒いちご+ラベンダーで、初夏味のジャム作り。

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2021.4.7

八百屋やスーパーの店頭に「ジャム用いちご」とか「加工用いちご」なんていう値札が登場する季節になりました。
小粒でかわいい、酸っぱいいちごの季節です。
お値段もかわいくなっていますから、いちごジャムを作る絶好のチャンス。
ラベンダーでフレーバーを付ければ、いつものいちごジャムとは、ひと味違う上等な味になりますよ。

食材は4つだけ。
さあ、作ってみましょう(※調理時間:30分)
鍋は直径18~20cmステンレスかホウロウ製を使用。
アルミ鍋は果物の酸で溶けるので避けてください。

【材料】

いちご300g
砂糖150g
レモン果汁1/8個分
(または、市販の100%レモン果汁 大さじ1弱)
ドライラベンダー小さじ1~2(お好みで)
出汁袋1枚

砂糖の種類はお好みで。
今回は雑味のないグラニュー糖ですが、粗糖やきび砂糖、上白糖などお好みで大丈夫です。

ラベンダーは出汁袋に入れます。

まず水洗いしてから、へたを取り除き、縦半分に切ります。
ビタミンは水溶性です。
いちごの切り口を水に晒すと、流れ出してしまうので「洗う→切る」の順番は大切。

材料を全部混ぜます。
生レモンを使う場合は、果肉もほじって混ぜてください。
ラップをかけて、いちごがら果汁が出るまで3時間~半日ほど置きます。
いちごを購入したら、ここまでの調理をすぐにやってしまうのがおすすめ。

そのまま煮る時間が取れる場合は、ボウルを日向の温かい場所に置き、ときどき混ぜると早く水分が出て、すぐ煮ることができます。
ボウルを冷蔵庫に入れておけば、果汁の浸出が遅くなるし、砂糖の防腐効果で果肉の劣化が止まるから、1~2日後の時間があるときに煮れば大丈夫。

砂糖が完全に溶けて、いちごの水分が出たところ。

ボウルの中身をすべて鍋に移し、強めの中火にかけます。
ぶくぶく沸騰させた状態を保ち、絶えず木べらで底からかき回し、15分を目安に短時間で煮上げます。
アクは取らなくても大丈夫。
煮ながら混ぜ込んでしまってください。

いちごの色が抜けたら、果汁が最大限に浸出したという印。
ここから先は煮詰まるばかり。
ラベンダーを取り除くタイミングです。

茶こしですくい、スプーンでギュッと押して汁気を切ったら取り除きます。

煮上がった状態。
試しに弱火にしてみると、沸騰が収まった表面にはツヤがあります。

果肉が透明感が出て、色も深紅に。

清潔な密封容器に詰めて、冷蔵庫で保存。
2週間を目安に食べ切ります。

ラベンダーいちごジャムが冷めたので、作り立てでジャムサンドを作ってみました。
薄切り食パンを6枚用意。
3枚にサワークリームを一面塗り、その上からジャムを塗ります。
ジャムはパンの真ん中に一列に塗るのがコツ。
残りの3枚をかぶせたら、軽く押してジャムに沿って半分に切ればできあがり。

サワークリームの代わりにクリームチーズやバター、マスカルポーネなどを塗ってもおいしい。

ラベンダーの爽やかなフレーバーをまとったいちごジャムは、お茶がすすむ味。
上等な初夏のおやつです。

ちょっとひと言

数あるハーブの中でも、ラベンダーは万能薬といわれています。
アロマは頭痛や生理痛などの痛みを和らげる効果が期待でき、オイルには抗炎症や殺菌消毒の作用があるとされています。
ラベンダー成分は、ほら、こちらの商品にも配合されています。

福田 里香(ふくだ・りか)
お菓子&料理研究家

1962年生まれ。武蔵野美術大学卒業。果物の専門店・新宿高野に勤めたのち、独立。漫画への造詣が深く、作品に登場するフード(食べ物)表現を考察した『ゴロツキはいつも食卓を襲う フード理論とステレオタイプフード50』(太田出版)は注目を集めた。フルーツを使った独創的なスイーツや料理にも定評があり、雑誌でフードコラムを担当するほか、『新しいサラダ』(KADOKAWA)、『いちじく好きのためのレシピ』(文化出版局)など著書多数。民芸にも詳しく『民芸お菓子』(エイ出版)がある。
Instagram @riccafukuda

撮影・青木和義

料理作成、写真と文・福田里香