メンテナンスごはん

【メンテナンスごはん】柿と生ハムのサラダ 深まる秋味を副菜に

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2020.11.4

こんにちは。すっかり秋ですね。
菓子研究家の福田里香です。
連載2回目は『柿と生ハムのサラダ』を作ります。
サラダといっても、生ハムとチーズに合わせますから、オードブルやお酒の肴にもぴったり。
この季節だけの組み合わせを楽しむ一品です。

籠には、2種類の柿が山盛り。
安かったので……思わず両方買ってしまいました。
左の四角いほうは、平核無(ひらたねなし)柿。
その名のとおり種がなく、さっぱりした甘さが特徴。
右の小さいほうは岐阜甘柿。種有りのねっとり甘い柿です。

さあ、作ってみましょう。まず、材料から。

柿の種類はなんでも大丈夫。
かなり柿たっぷりめで、2人分の材料です。

3個
エクストラバージンオリーブ油大さじ2
ナチュラルチーズの薄切り(今回はペコリーノを使用)12枚程度
生ハム4枚
黒こしょう適宜
酢橘(すだち)1/2個

まず、柿の皮を剥きます。
わたしは丸むきするタイプですが、やりやすい方法で剥いてください。

丸むきした種なしの平核無柿を切り分けるなら、この方法がおすすめ。
まず、柿のへたを持って、芯からギリギリのところを切り落とす。
そこを起点に15度ほど回転させては、切り落とす、を繰り返します。

こんな感じでくし形に切り落とせます。
種が無いからへたの真下も果肉です。
最後はへたを切り落として完了。

種有りの岐阜甘柿は4つ切りにして、へたを切り落とし、刃先で種を取り除きます。
さらに半分に切って、食べやすい大きさにしてください。

皿に盛り付けたら、オリーブ油をそれぞれに大さじ1ずつ、回しかけます。
バル風に小さめの皿に、盛り盛りにするとおいしそう。


柿は懐が深い果物です。
ナチュラルチーズはお好みのもので、なんでも合う。
ペコリーノは、スライサーで削ると簡単。
パルミジャーノやチェダーなど固いチーズはこの方法で削ってください。
ブルーチーズやシェーブルなど柔らかいチーズは手でほぐして散らします。

お皿に生ハムをふわっとのせたら、黒こしょうを挽きかけて、酢橘の皮をすりおろします。
代わりにまだ青い柚子やレモンでもいい。
柑橘も懐が深い果物です。
手に入る柑橘でおいしくできます。
繊細に薄く削れるMicroplane社のグレーターは手放せません。

酢橘のスライスを添えたら、できあがり。
たっぷり絞りながらいただきます。
ささっと作れて簡単なのに、誰もが感嘆するおいしさです。


ごちそうさまでした!

ちょっとひと言

柿には、疲労回復、かぜの予防、ガン予防、老化防止に効果があるといわれる成分がたっぷり。
まず、柿1個で一日の必要量をほぼまかなえるほど、ビタミンCを多く含んでいるそう。
ビタミンAも豊富。
どの品種にもペクチン、βカロテン、リコピンなどのカロテノイドが多く含まれています。

それから、生ハムとチーズは健康によいと云われている発酵食品です。

東京の庭木でも、たまに柿の木を見かけます。
散歩の途中で撮影した近所の公園の柿の木。
まだまだ、青いです。
おしりが尖っているから、きっとたぶん、これは筆柿かな。

福田 里香(ふくだ・りか)
お菓子&料理研究家

1962年生まれ。武蔵野美術大学卒業。果物の専門店・新宿高野に勤めたのち、独立。漫画への造詣が深く、作品に登場するフード(食べ物)表現を考察した『ゴロツキはいつも食卓を襲う フード理論とステレオタイプフード50』(太田出版)は注目を集めた。フルーツを使った独創的なスイーツや料理にも定評があり、雑誌でフードコラムを担当するほか、『新しいサラダ』(KADOKAWA)、『いちじく好きのためのレシピ』(文化出版局)など著書多数。民芸にも詳しく『民芸お菓子』(エイ出版)がある。
Instagram @riccafukuda

撮影・青木和義

料理作成、写真と文・福田里香