菓子研究家の福田里香です。
身体と心のバランスを考えながら、料理にお菓子、ドリンクも……とおいしさを欲張ったレシピ&コラムがはじまりました。
初回は朝ごはんやおやつに人気NO.1の「あの粉もの」です。
秋の気配を感じたら、スコーンが無性に食べたくなりませんか?
スコーンを作る日から、毎年秋がはじまる気がします。
長年作り続けていますが、未だにレシピが定まりません。
理由は配合が無限にあって、ついつい実験してしまうから。
ここ最近気に入ってる生地がこれです。
材料数も少なく、生地を混ぜたらすぐ焼けて、翌日もふんわり。
材料を紹介します(直径5cmの抜き型7~8個分)。
中力粉(薄力粉180g+強力粉180gでもいい) | 360g |
ベーキングパウダー | 17g |
無塩バター | 120g |
砂糖 | 50g |
卵 | 1個 |
牛乳 | 約60g |
塩 | 2g |
下準備をしましょう!
塩を加えた中力粉を冷蔵庫でよく冷やす。
バターは1cm角に切り、冷蔵庫で冷やす。
割った卵の重量を計り、そこに牛乳を加えて合計100gにして、よく混ぜる。
粉(分量外)を敷いた容器に抜き型を用意する。
いよいよ作りはじめます!
中力粉とベーキングパウダーをボウルに入れて、泡立て器でかき混ぜてふわふわっと空気を含ませます。
バターを加え、指先と親指の付け根をすり合わせて、バターをつぶしてください。
こんな感じ。
バターが小石状に細かくなってきたら、砂糖も加えます。
今度は生地を両手のひらですくって、左右の手を前後にすべらせて、パラパラパラ……とすり混ぜます。砂状になるまで繰り返してください。
卵液を加え、スケッパーで切るように混ぜます。
サクサクサクッとリズムよく。
粉気がなくなり、まとまりそうになったら、手で2~3回軽く捏ねてひとつにまとめてください。
打ち粉(分量外)をした台に取り、手で厚さ3cmにのばします。
だいたいで大丈夫!
さあ、いよいよ、粉をまぶした抜き型で生地を抜きますよ。サクッと一気に。
切り口の断面に触れないように持ち上げ、クッキングシートを敷いた天板にのせてください。
残りの生地は重ねて抜いて、最後の残りは軽く丸めて味見用に。
照りをつけたいときは、牛乳(分量外)を生地の上面にハケで塗ってください。
190℃に予熱したオーブンで20分目安で焼きます。
もしも照り用の牛乳が余ったら、温めた牛乳を足してみて。
カモミールのティーバックを入れてカモミールミルクティーに。
焼き上がりまで一休み。
焼き上がったら、ケーキクーラーで粗熱を取ります。
ほんのり温かいくらいが食べ頃。
ジャムやバター、クロテッドクリームなどお好きなものをたっぷり塗ってどうぞ。
ちょっとひと言
紅茶のカフェインが胃にくるときは、カモミールティーがおすすめです。カモミールは血糖値を上げにくくする効果もあるといわれています。ローマカミツレ油として、化粧品にも使われています。
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福田 里香(ふくだ・りか)
お菓子&料理研究家
1962年生まれ。武蔵野美術大学卒業。果物の専門店・新宿高野に勤めたのち、独立。漫画への造詣が深く、作品に登場するフード(食べ物)表現を考察した『ゴロツキはいつも食卓を襲う フード理論とステレオタイプフード50』(太田出版)は注目を集めた。フルーツを使った独創的なスイーツや料理にも定評があり、雑誌でフードコラムを担当するほか、『新しいサラダ』(KADOKAWA)、『いちじく好きのためのレシピ』(文化出版局)など著書多数。民芸にも詳しく『民芸お菓子』(エイ出版)がある。
Instagram @riccafukuda
撮影・青木和義
料理作成、写真と文・福田里香