庭で草むしりをしていると、子どもたちはいわゆる「雑草」と呼ばれる草花を「かわいい」と言って家に持ち込む。昔からそうだった。公園に行くと、ブランコより、端っこに咲いている草花に夢中だった。学校帰りに、コンクリートの間から生えている小さな花を「おみやげ」と言って持ち帰ってくることもあった。そのたびに、家にある適当な空き瓶に活けていたのだが、このアンティーク小瓶が我が家に来てからは、むしろ私の方がおみやげを楽しみにするようになった。イギリスで薬瓶として使われていたものらしいのだが、厚みのあるガラスが華奢な草花をしっかり支えてくれる感じがいい。手のひらに乗せてながめているだけで、かたくなった心がほどけていく気がする。