カラスウリをご存じだろうか。その名の由来はカラスが好んで食べるからだとか、カラスも食べないくらいまずいからだとか、言われている。 ただこのウリ、「ねずみうり」とも呼ばれていて、年中行事にちなんだお飾り、室礼(しつらい)にもよく使われる。
年中行事には干支が欠かせない。年はもちろん、月や方角などもこの干支で数えるからである。干支ではねずみが最初に来るので、このねずみうりが、はじまりを意味する室礼に使われる。多く使われるのは、季節のはじまりとされる冬至の盛物。カボチャや小豆、ゆず、唐辛子などと一緒に盛るのである。
加えて、ウリなどの蔓ものは“つながり”を表すものとしてもよく使われる。しかもこのねずみうり、種の形が打ち出の小槌に似ていて、それもまた縁起がいいとされている。何よりこの鮮やかなオレンジ色が華やかでいい。
さて、今年はまさしく「ねずみ年」。さりげなく意味をこめて部屋に飾ってみるだけで、気分が変わるのではないだろうか。
デルスタ編集部・キャット
空とか葉っぱとか匂いとかで季節を感じると、旬の食べものとそれに合うお酒のことばかり考えてしまう。そんな煩悩を少しでも戒めるべく、室礼のお教室で季節や旬の意味をお勉強中。